- 岡尾 知子 - Tomoko Okao
漢方養生指導士(漢方上級スタイリスト)、国際中医師、国際薬膳師、鍼灸師。美容・健康をテーマに美容・健康エディターとして仕事をする中で東洋医学に関心をもち、漢方、中医学、薬膳を学ぶ。雑誌やラジオ、イベントなどを通じて、美容と健康のための薬膳や養生についての啓発活動を行う。はり師・きゅう師の国家試験に合格し、鍼灸師として東京の「池袋ひりゅう鍼灸院」で臨床にあたっている。詳しい情報は「LOTUS(ロータス)薬膳教室」「薬膳ノート」で検索を!
◎薬膳教室:「TUMUGU東京青山」http://www.tumugu-aoyama.jp/
◎HP:「薬膳ノート」http://www.yakuzennote.com
◎ブログ「Eat & Run! 岡尾 知子の美・薬膳な日々」http://ameblo.jp/yakuzen-navi/
夏バテによる「気血両虚」を防ぐ【にんじん&お米のスープの素】
薬膳常備菜Vol.15
夏は暑さと過剰な汗で心身が消耗する
今年は早い時季から厳しい暑さがやってきました。8月に入り、これからが暑さの本番。旅行やリゾートなど、お楽しみがいっぱいの夏ですが、毎日の暑さで「一日が終わるとぐったり」という方も多いのではないでしょうか。
東洋医学では、夏になると自然界に「暑気」という気が旺盛になると考えます。
「暑」は、「熱」と「湿」の両方の性質をもつもの。まさに蒸し暑い日本の夏の気候とマッチしていますよね。
体力が充実していれば問題ないのですが、疲れたり、体が弱っていたりすると、「暑気」が「暑邪」という病気のもととなって体に侵入します。イライラしたり、寝付けなくなったり、食欲不振や消化不良に陥ったりするのは、暑邪が体に悪さをしているサインなのです。
こうした体の変化が重なって起こるのが、いわゆる「夏バテ」。ただでさえ、暑さで消耗する夏ですが、特に気を付けたいのは、過剰な汗と栄養不足です。適度な発汗は、体の熱を放出するために必要なこと。でも、過剰に汗をかくと、生命活動の源である「気」や、栄養や潤いを運ぶ「血」が失われてしまいます。気や血は、食べ物から取り入れる栄養によって補充できますが、暑邪による食欲低下で、夏はどうしても栄養不足に。たくさん奪われ、補充が追い付かないため、体は気と血が足りない「気血両虚」の状態に陥るのです。
冷たいものの食べ過ぎで冷えたお腹にも◎
そんな夏に、どんなものを食べるのがよいのか。
おすすめは、消化に負担がかからず、気と血の両方を補えるメニューです。
今回の薬膳常備菜は、「にんじんとお米のスープ」。トロトロとしたポタージュスープは、食欲がないときでも食べやすく、手軽に栄養補給できます。
ポイントとなるのは、にんじんとお米の組み合わせ。
にんじんには、血を補い、皮膚や目の乾燥をいやしたり、消化機能を助けたりする働きがあります。血は精神安定にも欠かさない要素なので、不眠対策にもなるでしょう。
とろみ付けに使っているお米には、気を補う力が。消化機能を健康に保ってむくみや口渇を取り除く力があるので、夏バテ予防にぴったりの食材なのです。
さらに、このスープには、にんじん、お米にたっぷりのたまねぎをプラス! 気の巡りを助けるたまねぎを加えることで、消化機能がスムーズに働き、補った気と血を順調に行きわたらせることができるでしょう。
一度にたくさん作っておき、食べたいときに牛乳や豆乳でのばして食べるのがこのスープの特徴。潤いを補いたいときは牛乳、むくみをケアしたいときは豆乳でのばすのがおすすめです。
冷蔵で5日程度保存できますが、冷凍すれば1か月程度保存がききます。時間のあるときに作り置きし、食欲がない日、料理するのが億劫な日などに活用してください。
【材料】
・にんじん…1本
・たまねぎ…1個
・ごはん…80g
・にんにく…1片
・オリーブ油…大さじ1
・コンソメスープの素…1個
・塩・こしょう…少々
※食べるときに、豆乳か牛乳…適量
【作り方】
①にんじんは皮をむいて薄い半月切りにする。たまねぎは皮をむいてスライス、にんにくは皮をむいてすりおろす。
②鍋にオリーブオイルとたまねぎを入れて中火にかけ、しんなりするまで炒める。にんじんを加えてさらに炒める。
③②に水400㏄、コンソメスープの素、にんにくを加えて温めたら、ごはん、塩・こしょうを加えて10分程度煮込む。
④③をフードプロセッサーにかけ、ペースト状にする。粗熱をとってから保存容器に入れて保存する。
⑤食べるとき、④を牛乳か豆乳で好みの濃度にのばす。
【食材メモ】
にんじん:血を補うので目の乾燥、かすみに。脾胃を整えて下痢、便秘を防ぎ、元気を補う。
米:消化器官の疲れ、食欲不振に。吐気、下痢、むくみに。渇きをいやし、精神を安定させる。
たまねぎ:気の滞りをとり、消化を助ける。胃もたれ、げっぷ、食べ過ぎなどにおすすめ。おなかの冷えにも。
スープの素を豆乳でのばし、包丁でたたいた黒粒こしょうをのせました。胡椒はおなかを温めてくれるので、冷たいものをとって冷えた胃のケアに!
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