- 岡尾 知子 - Tomoko Okao
漢方養生指導士(漢方上級スタイリスト)、国際中医師、国際薬膳師、鍼灸師。美容・健康をテーマに美容・健康エディターとして仕事をする中で東洋医学に関心をもち、漢方、中医学、薬膳を学ぶ。雑誌やラジオ、イベントなどを通じて、美容と健康のための薬膳や養生についての啓発活動を行う。はり師・きゅう師の国家試験に合格し、鍼灸師として東京の「池袋ひりゅう鍼灸院」で臨床にあたっている。詳しい情報は「LOTUS(ロータス)薬膳教室」「薬膳ノート」で検索を!
◎薬膳教室:「TUMUGU東京青山」http://www.tumugu-aoyama.jp/
◎HP:「薬膳ノート」http://www.yakuzennote.com
◎ブログ「Eat & Run! 岡尾 知子の美・薬膳な日々」http://ameblo.jp/yakuzen-navi/
花粉の季節に目をケアする【菊の花とクコの実の甘酢漬け】
薬膳常備菜Vol.10
花粉症は春の「風邪(ふうじゃ)」によるトラブル
三寒四温。春一番が吹くと、ポカポカと温かい日が増えてきて、いよいよ春本番です。分厚いダウンともそろそろサヨナラ。花屋さんの前に並ぶ色とりどりの花苗を見ると、「寄せ植えでもしようかな…」と、気分も春めいてきますね。
でも春の到来で、とっても憂鬱になる人も……。
そう、芽吹きの時期は、花粉症の人にとってつらいシーズンの始まりなのです。
いまや国民病ともいえる花粉症。
秋の花粉に弱い人もいますが、漢方養生の視点で見ると、花粉症は明らかに春のトラブルといえます。
なぜなら、春は「風」の季節だから。春に吹く強い風は、体に風邪として侵入します。
風邪には軽く、舞い上がり、体の上部を襲う性質があり、めまい、けいれんなど「動く」症状をもたらします。実はかゆみも、この「動く」症状のひとつ。くしゃみが出たり、目がかゆくなったりといった花粉症の症状は、まさに風邪のトラブルの典型なのです。
では、花粉症の人にはどんな養生が必要なのでしょう。大切なのは、2つのアプローチです。ひとつは、免疫力のバランスを整える「補気」=元気を補うこと、もうひとつは侵入した風邪を追い出す「解表(げひょう)」=邪気を発散させること。前者は体質改善、後者は対症療法に相当します。花粉の季節になり、鼻や目がむずむずしてきたら、つらい症状を鎮める対症療法を取り入れるのが得策。甜茶や紫蘇ジュースを飲んだり、漢方薬を常備したり、さまざまな方法がありますが、毎日の食事にも邪気を発散させる食材を取り入れましょう。
菊花と枸杞子は目のゴールデンコンビ
今回ご紹介する薬膳常備菜は、「菊の花とクコの実の甘酢漬け」。辛涼解表(しんりょうげひょう)の働きを担う菊花は、風邪を発散させ、目に通じる肝の熱を取り除き、視界をクリアにするといわれています。
アンチエイジング食材として注目のクコの実は、生薬名「枸杞子(くこし)」。老化にともなう潤い不足をケアし、眼精疲労や視力の減退に有効です。
今回は、乾燥の菊花と枸杞子を使い、色鮮やかな酢の物にしました。
つくるときは、甘酢を一度加熱し、酸味を少し飛ばすのがポイントです。
薬膳では、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩味)という五味の性質を考えて料理をつくりますが、酢の酸味には収斂(しゅうれん)作用が。甘酸っぱい酢の物はさっぱりとしておいしいのですが、酸味が強すぎると体表を引き締め、菊の花の発散作用を弱めてしまうのです。
カラフルな菊の花と真っ赤なクコの実は、おひたしや大根おろしに加えるだけで素敵なアクセントに。「花粉症で外出したくない」という方は、華やかは常備菜をつくって、食卓から春を楽しんでみてはいかがでしょう。
【材料】(作りやすい分量)
・乾燥菊(黄色・紫)…各7g
・クコの実…20g
・米酢…大さじ3
・だし汁…大さじ1
・砂糖…大さじ11/2
・塩…小さじ1/2
【作り方】
1.クコの実は水で浸して柔らかく戻す。鍋に湯を沸かし、2色の菊を別々に各2分間ゆでる。紫の菊は、湯に酢小さじ1を入れてゆでると色鮮やかになる。ゆであがったら水気をしぼる。
2.鍋に米酢、だし汁、砂糖、塩を入れて火にかけ、沸騰したら火をとめて冷ます。
3.黄色の菊と紫の菊にクコの実を加え、2を半量ずつ注ぎかける。
【薬膳食材メモ】
菊花:風邪を発散させ、体の熱を取り除く。肝の熱をとって目をクリアにする。
枸杞子:肝、腎、肺を助け、体に本来備わっている「潤す力、こもった熱をとる力」を補う。特に眼精疲労や加齢による視力低下によい。
「菊の花と菜の花の桜ちらし寿司」
干し椎茸の甘辛煮を混ぜたすし飯に、「菊の花とクコの実の酢の物」、ゆでた菜の花、塩漬けの桜の花を散らしました。卒業、入学のお祝いに。
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