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公開日:2014.08.01 更新日:2018.09.142976view

無理せず痩せたいを応援する「体質別漢方流ダイエット」

女性にやさしい漢方コラム(3)

主人とまだお付き合いしていた頃、誕生日プレゼントに洋服を買ってもらえることになり一緒にショッピングへ。ショーウィンドウに飾られた素敵なワンピースを見て、試着した時のことです。鏡に映った自分の姿にショックを受け、その日から「本気ダイエット」を始めることに。

「食べる量を減らせば痩せられる」という安直な考えで、夜は炭水化物抜き、野菜だけで作るスープのみ。朝も昼もできるだけ主食を抜きました。その結果2週間で2キロは落ちたのですが、そこから停滞。さらに立ちくらみがひどくなり、気力も低下、すべてが億劫に。この体重を維持するには「今の食生活を続けないといけない」と思い始めると、人生楽しくないし、なんだか間違っているような気がして無計画な食事制限をやめました。

ちょうどその頃、漢方の勉強を始めた私は、その知識を活かして、身体のバランスを整えることを意識し習慣にするようになりました。気が付けば理想の体重を達成し、無理なく現在まで維持できています。

失敗経験のある方にお伝えしたいダイエットで成功する秘訣は「無理に我慢しないこと」。

例えば、美味しそうなケーキの差し入れがあったら、まず我慢ですよね。でもこれが続くとストレスに。美味しそうに食べる人を見て羨ましく感じ、食事会の豪華な料理も我慢、友人とのお茶では皆がスイーツを頼むのに、自分は飲み物だけ。このようにストレスが溜まった状態を漢方では「気滞(きたい)」といいます。「気」とは、生きていくために必要なエネルギーで、常に身体の中を巡っています。気滞になると我慢し続けるのが辛くなり、膨らみ過ぎた風船がバーンとはじけるように、限界に達した感情が弾けてしまいます。そして「もう我慢し続けるのに疲れた!」とドカ食いに走ってリバウンド。こんなパターン多くないですか?

まずは「気滞」を解消しましょう。上手に解消できると「このケーキを食べたい!だけど我慢しなきゃ」という感情が「このケーキは大好きだけど、今は食べなくてもいいかな」と自然に思えるようになります。

私の対策は、ヨガで呼吸を意識すること。初めてヨガクラスに参加した時、身体が硬すぎてポーズがとれませんでしたが、呼吸だけはなんとかできました。最後の脱力するポーズの時には「いつの間に歯を食いしばっていた」と客観的に捉えることができ、「頑張り過ぎて常に身体に力を入れていた」と気が付きました。
呼吸を深く行うと、溜め込んでいたイライラや膨らんだ不満も一気に流れていきます。そうするとプレッシャーや嫌なこと、面倒なこと、我慢しなくてはならないことを前向きに捉えることができるようになります。
もう1つのポイントは五臓の「脾」を整え代謝を上げることです。
脾は消化吸収する生理機能です。主食を抜かずに豆、海藻、旬の野菜、肉魚をバランスよく摂り、味噌、納豆、ぬか漬けなどの植物性発酵食品を加え、エネルギーを作り出す食事を摂り、三食を腹八分目で抑えます。代謝を下げる冷たいもの、甘いもの、味の濃いものは控えめに。氷の入ったものはできるだけ控えましょう。消化器系が弱い方は代謝も落ちやすいので、下半身の筋肉を刺激してあげると消化機能の強化に効果的です。
ダイエットは無理をしても続きません。ストレスを上手に解放しさらに自分の体質を知っておくと、体重コントロールに役立ち成功に繋がります。健康で美しく輝く女性になる方法、それは漢方ライフそのものだと私は思います。

天野 賀恵子 - Amano Kaeko
[ 薬日本堂漢方スクール講師、国際中医師・国際中医薬膳師・漢方スタイリスト ]
富山大学経済学部卒業後、化粧品メーカー、語学学校、サロン経営の仕事を経て、北京中医薬大学日本校で国際中医薬膳師、上海中医薬大学日本校で国際中医師のライセンスを取得。東洋医学と西洋医学を折衷させた病院で、食事、運動、精神ケアなどの健康指導に従事。当校にて漢方養生指導士養成講座、ワンデイセミナー「からだ巡らせ漢方ヨガ」などで活躍中。

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