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公開日:2025.03.14 更新日:2025.03.14765view

なぜ春は目の不調が増えるの?春と目の関係

漢方であなたを応援vol.36「春と目の関係」

かゆい、まぶしい、乾く、疲れる・・・気になる目の違和感

花粉や黄砂が舞う季節、くしゃみ、鼻水、肌荒れと合わせて気になるのが目の不調です。

□目が痒い
□目が充血する
□目が乾く
□目が疲れてぼやける
□目の奥がゴロゴロする
□日差しがまぶしい
□涙や目やにが出る
□視界がぼやける

生活で目を酷使している方、アレルギー体質の方はもちろんのこと、普段はいたって健康な方でも目にトラブルが出やすいのが春です。
漢方では春と目は深く関係していると考えます。

春と目の関係
春は「春一番」を筆頭に風がよく吹きます。風が運んでくる花粉や黄砂は、目を刺激して痒みや痛み、炎症などを引き起こします。
目に物がぶつかる寸前、まぶたが反射的に動いて侵入を防げるようになっていますが、風が運ぶ細かな異物は閉じたすき間をついてくるため、春は特に目のトラブルが増えるのです。
メガネで侵入を防ぐ、洗眼液で洗い流すなどして、少しでも刺激を減らしましょう。冷たいタオルでまぶたの上から冷やすのもよいでしょう。

さらに春の陽気で気温が上昇、日差しも強くなり、ドライアイや充血、まぶしさを強く感じるなどの不調があらわれます。
つばの大きい帽子をかぶる、サングラスをかけるなどで直射日光を避けましょう。
点眼で目の粘膜を潤し炎症を鎮めることも大切です。炎症を鎮める黄柏(おうばく)という生薬が配合された点眼液も存在します。

目は五臓の「肝」とつながっている
漢方では体内の機能を「五臓」としてあらわします。この中のひとつ、「肝(かん)」はエネルギーである「気(き)」を巡らせ、栄養と潤いの液体である「血(けつ)」を貯蔵します。
「血」が目に栄養を送り潤すことで、視力の維持、適度な潤い、眼精疲労からの回復などに役立っています。夜ふかしや長時間の目の酷使は「血」を消耗し、ドライアイ、視力低下、目のかすみなどを引き起こすので注意しましょう。

実は「肝」も春の風にあおられて不調を起こします。目がショボショボ、ピクピク痙攣を起こしたら、「肝」からのサインだと考えてください。リラックスした状態で目を休めましょう。

今日から始める目の養生
目のトラブルを予防し改善するために、目の養生を始めませんか?

1)目を酷使せず休める時間を作ることが大切です
・夜中のPC、スマホ利用は注意
・睡眠時間を確保
・ホットタオルやアイスタオル、アイマスクなどで目をおおう

◆パチパチまばたき、1秒まばたきのすすめ
物事に熱中しているとまばたきの回数は減る傾向があります。時々、意識してまばたきをしましょう。
①パチパチと5回くらい軽くまばたきをする
②静かに1秒のまばたきを3回くらいする

2)五臓の「肝」を癒し、「血」を補充しましょう
・レバーやクコの実など赤色、黒豆やひじきなど黒色の食材を食べる
・ほうれん草や春菊など青々とした葉野菜を食べる
・ストレスは早めに解消、ストレッチなどで脇を伸ばす

3)熱を冷ますお茶で炎症を鎮めましょう
・クコの実と菊花のお茶
・カモミールのミルクティー
・ハブ茶(ケツメイシ)

日頃の養生が健康回復の近道、普段酷使している目を癒しましょう。

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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