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公開日:2025.02.14 更新日:2025.02.14775view

便秘と下痢は美容の大敵!大腸の健康を見直して肌あれ解消

漢方であなたを応援vol.35「便秘と肌あれ」

肌は内臓を映す鏡
年明け早々、肌あれが気になっている方はいませんか?
秋冬の乾燥、春風が運ぶほこりや花粉、夏の紫外線など、肌は外界の影響を受けますが、実際の肌トラブルは暴飲暴食、月経周期、ストレス、便秘など、体内の影響によるものが多いため、「肌は内臓を映す鏡」と呼ばれます。

特に漢方では、大便の排泄を担う大腸が呼吸を担う肺と皮膚につながると考えます。
肌あれが気になっている方、大腸の健康を見直すことで肌荒れを解消し、春を気持ちよく迎えましょう。

便秘と肌の関係と養生
大便が3日以上出ない、便が硬くなって出づらく残便感や不快な症状があらわれるものを便秘といいます。不要なものがスッキリ排泄できず残っているため、毒素が体内を巡り、「ガスがたまる」「肌あれ」「肩こりや頭痛」「口臭」などがみられます。
過度な飲酒や脂っこいものの摂りすぎによる便秘の場合、体内に余分な熱がたまっているので、肌は赤く熱感があり、吹き出物は大きく腫れて化膿しがちです。

<腸内に余分な熱をためない養生>
・水分は少量ずつこまめにとる
・脂っこいものは控えめに
・熱を冷ますお茶を飲む(緑茶、ドクダミ茶など)
・熱を冷ます食材を食べる(豆腐、もやし、きゅうり、青菜、海苔、バナナなど)

青汁にバナナを加えたスムージーや、出し汁に豆腐とスライスしたきゅうり、白ごまを加えた冷や汁などは手軽に作れておすすめです。

下痢と肌の関係と養生
大腸の蠕動運動が過剰になり、腸内で水分の吸収がうまく行われず水浸しになった状態が下痢です。食事の影響、ストレス、冷えなどが原因で起こります。
下痢が長引いたり繰り返すと、水分だけでなく栄養の吸収にも影響が及ぶため、「肌の色ツヤが悪くなりくすむ」「乾燥する」「小さく勢いのない吹き出物」などの肌あれがあらわれます。

<腸内に余分な水をためない養生>
・水分は温かいものでとる
・生ものや水分の多い果物は控えめに
・身体を温めるお茶を飲む(紅茶、ほうじ茶など)
・お腹を温める食材を食べる(シナモン、シソ、かぼちゃ、ねぎ、鶏肉など)
・腸の動きを整える食材を食べる(山芋、キャベツ、りんごなど)

甘酒にりんごすりおろしとシナモンを加えたドリンク、山芋のすりおろしにキャベツの千切りと卵、出し汁を加えて焼いたものなどは手軽に作れます。

腸活で美肌も手に入れよう!
便秘も下痢も腸内環境が悪いと生じやすいので、日頃から腸活することが肌あれ予防にもつながります。
腸内環境を整える善玉菌は乳酸菌飲料やヨーグルト、発酵食品などを積極的にとりましょう。食物繊維の豊富な根菜やこんにゃく、おからなども日常の食事に取り入れてください。

他にも生活リズムを整えることで排便リズムを整えることが出来ます。
・朝食や就寝の時刻を一定にする
・決まった時刻に排便の準備をする
・少しの時間でも運動をする
 例)のの字マッサージ、下腹部の腹筋、その場足踏みなど

まずはやれることから始めてみましょう!

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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