- 鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中
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陰陽五行で考えるお雑煮の意味!?
プチ不調は自分でカイゼン Vol.69
皆さんの地域のお雑煮の具は?
岩手に近い宮城の県北にある私の実家のお雑煮は、鶏肉と椎茸で出汁をとり、引き菜 (大根、人参、凍み豆腐を細かく千切りにしたもの) を入れ、セリをのせます。
地域によって味付けやだしの種類、お餅の形が違うということで、興味があったので、調べてみました。
東日本 ・・かつを節や昆布でだしをとり、しょうゆで整えるすまし汁、角餅
東北北部 ・・鶏肉でだしをとった、しょうゆのすまし汁、角餅
関西 ・・味噌ベース、丸餅
九州 ・・あごだしのすまし汁、丸餅
山陰 ・・あずき汁、丸餅
大まかに、東日本は角餅、西日本では丸餅という傾向がありますね。
もともとは、鏡餅が丸い形をしているように、丸餅が正統とされていたようです。
丸い形には、『円満に暮らせますように』という縁起も込められています。
では、なぜ東日本では、角餅になったのでしょうか。
いろいろな説があるようですが、気候の影響は大きいようです。
東日本の寒冷な地方では、丸餅はひび割れたりして、保管が難しい。
一方、西日本は気候が温暖で、切り口がある角餅ではカビが生えやすいからではないかといわれています。丸めて作る丸餅には切り口がなく、カビが生えにくいのですね。
※諸説あるようです。
お雑煮を陰陽五行で考えてみた
お正月にお餅を食べるのは、いろいろな意味が込められていますが、餅は長く延びて切れないことから、「長寿を願う意味をこめて」というのが一般的です。
漢方養生的にはどのような解釈になるのでしょうか?
基本の考え方から解説をすると、
五行は、木火土金水(もく、か、ど、こん、すい)
五色は、青赤黄白黒
木青、火赤、土黄、金白、水黒になりますね。
新年のはじまりは、「木」からのスタートになります。
五行の関係で、木を抑制してしまうのが金になり、金の色は白です。
新年のはじまりの「木」を抑制してしまう「金」を弱らせるために、金の色である白色の餅を食べる。
結果、木を助けることになり、最高のスタートを切る!と解釈できます。
自然崇拝の日本の風習と自然哲学の陰陽五行は、いろいろな面で融合します。
プチ不調はバランスの崩れからあらわれるので、このような日本の風習を意識することが、心と身体を整えて、健康の管理に繋がると思っています。
※陰陽五行の理論について、詳しく知りたい方は、「はじめての漢方入門セミナー」をおすすめします
七草がゆを陰陽五行で考えると・・・
1月7日の人日の節句に、正月のごちそうで疲れた胃を休めるため7種の葉でおかゆを食べる目的があります。
「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」、春の七草。
と、子どもの頃に一生懸命覚えた記憶があります。
ゴギョウはハハコグサ
ハコベラはハコベ
スズナはかぶ
スズシロは大根
七草は早春に芽吹くことから邪気を払うといわれ、無病息災の願いが込められています。
漢方養生的に考えると、
6日の夜または、7日の早朝に、神棚の前で「七草たたき」を行います。
「唐土の鳥と日本の鳥をあわせてストトントン」
と唱えながら七草を包丁でたたきます。
※唐土(とうど)⇒中国、西の方角を意味します
五行の考えで「金」に属するのが、白のほかに、方角は西、干支は申、酉、戌になります。
新年のはじまりの「木」を抑制してしまう「金」を弱らせるために、金に関連することを唱えて、包丁でたたくことによって金を弱らせるという解釈になります。
2025年最高のスタートを切るためにも、お餅、七草がゆを食べましょう!
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