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公開日:2025.01.14 206view

冬太りは食べて解消できる?!ため込み解消薬膳のコツ

漢方であなたを応援vol.34「冬太り解消」

冬太り解消に必要なエネルギー
クリスマスディナー、忘年会・新年会の宴会料理、正月のおせち料理など、おいしい料理をたくさん食べましたか?
この時期に気になるのが冬太り。食べ過ぎや飲み過ぎ以外にも、年末年始は運動する機会が減ることで体重増加傾向になりがち。また、冬の寒さで内臓の働きが鈍り、代謝が落ちることで太りやすくなります。

ダイエットというと食べる量を減らすことが重要だと考えがちですが、冬太り解消のためにはしっかり食べることも大切です。
食べて脂肪を燃やすためのエネルギーを補充しないと、新陳代謝は上がりません。また、消化を担う五臓の脾にパワーがなければきちんと消化吸収できず、胃に食べ物がたまった食積という状態に陥ります。このようなため込み状態が続くと、疲労やストレスもたまって日常の活動力低下にもつながります。

ため込み解消薬膳のコツ
そこで、冬太り解消のために次のポイントを意識して食事を組み立てましょう。
①食物繊維が豊富な食材を使う
根菜やきのこ、こんにゃくなど、食物繊維が豊富な食材は、過食を防ぐとともに、大便の材料になって腸内大掃除に役立ちます。
・こんにゃくステーキ
・ゴボウとレンコン、鶏むね肉の炊きもの
・たっぷりきのこと厚揚げの味噌汁 など

②消化を助けたり、胃粘膜を保護する食材を使う
キャベツやアスパラガスは胃粘膜を保護して消化を助け、消化酵素を多く含む大根やカブ、キウイフルーツは胃のつかえを解消して、食のリズムを正常に保ちます。さらに、柑橘の皮や少量の辛味を加えることで、たまったものを動かします。
・大根と金柑の甘酢漬け
・キャベツとカイワレ大根のサラダ
材料
キャベツ1/4個、カイワレ大根1束、ツナ缶1個、キウイフルーツ1個、塩コショウ少々
作り方
①キャベツは千切り、カイワレ大根は半分の長さに切り混ぜておく
②ボウルにツナ缶を開けて塩コショウをし、①と和える
③小さく切ったキウイフルーツを②に加える

③ご飯に雑穀を加える
元気を補う米にハトムギや大麦、もち麦などの雑穀を加えることで歯ごたえが増し、過食を防ぐことが出来ます。特にハトムギは体内の水巡りを良くするため、水太り解消にも役立ちます。

気太り、血太り、水太り
"漢方ではダイエットをサポートする際に、気血水の滞りがないか確認します。この3つは人体を構成する成分。「気」は活動のエネルギー、「血」は栄養と潤いの赤い液体、「水」は身体を潤す正常な液体と分泌液。
それぞれ流れが滞るとため込みを助長して、肥満だけでなく様々な不調を招きます。

気太り(ストレス太り)
□イライラすると暴飲暴食してしまう
□月経前にイラつきや胸の張り、便秘が悪化
□ダイエットしてもリバウンドしやすい

血太り(血行不良太り)
□お腹周りが太りやすい
□月経痛や腰痛、関節痛など痛みが激しい
□糖尿病や高血圧、高脂血症などを抱えている

水太り(むくみ太り)
□むくみで体重が増減する
□汗っかきで疲れやすい
□胃腸が弱く軟便下痢傾向

それぞれを解消する漢方薬もあるので、気になったら漢方相談でアドバイスをもらいましょう。
気血水の滞りがミックスした混合太りには、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)という漢方薬がよく用いられますが、こちらも全ての人に使えるわけではありません。注意点があることを念頭において、正しく使いましょう。

▽動画でも!「【必見!】ダイエットで防風通聖散を飲んでいる人には絶対見てほしい!本当にあなたの体に防風通聖散が合っていますか?人に聞けない漢方薬の疑問」

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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