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公開日:2024.10.14 更新日:2024.11.12989view

髪は血余、豊かな頭皮の土壌から生まれるツヤ髪

漢方であなたを応援vol.31「漢方でツヤ髪」

肌だけでなく髪にもダメージ、秋冬の乾燥

『枕草子』で「うらやましげなるもの」のひとつに「髪いと長くうるはしく…」とあるように、豊かなツヤ髪は昔から憧れるものだったようです。
様々なヘアスタイル、ヘアカラーで楽しむのが現代ですが、共通して言えるのは潤いとツヤがある髪は美しいということ。
特に秋冬の乾いた空気は、全身の水分を奪い、肌も髪も乾燥させます。漢方の智慧でツヤ髪を目指しましょう。

ツヤ髪は頭皮の豊かな土壌から生まれる!

頭皮から生えている髪は皮膚の一部と考えられます。髪の毛は、地肌から出ている部分を毛幹、地肌の中にある部分を毛根と呼び、 毛根の一番奥の毛球部で活発に細胞分裂がおこなわれ成長します。

豊かな髪を作り、維持するためには、頭皮の豊かな土壌が欠かせません。漢方では「肌は内臓を映す鏡」と呼ばれ、内臓である五臓六腑が機能することで、頭皮を含む肌の健康が保たれます。
また「髪は血余(けつよ)」と呼ばれ、潤いと栄養の液体である血が充実して全身を巡ることで、肌も髪も滋養されると考えます。
次の項目に当てはまる方は、血の不足で肌だけでなく髪も潤いとツヤを失いやすいので要注意です。

□目元や口元の小じわが気になる
□頬や足のすね、二の腕がカサカサして痒い
□頭皮が痒くてフケも気になる
□唇が乾いてひび割れやすい
□爪に縦線が出て割れやすい
□めまいやふらつきが多い
□手足の末端が冷えやすい
□物忘れが多く、ボーっとしがち
□ウサギの糞のようなコロコロ便
□髪がパサついて毛先が切れやすい
□年齢の割に白髪が多いと言われる

生活習慣から血が補充できず、血行不良を起こしている場合もあります。肌と髪の潤いを消耗させないためにも、次のようなことを意識しましょう。

■夜ふかし傾向で、夜中にスマホを見る時間が長い
■仕事などでパソコンに向かう時間が長い
■偏食傾向(脂っこいものが多く野菜が少ない、野菜だけで肉・魚が極端に少ない)
■シャワーで済ませることが多く、湯舟に浸かることが少ない

黒いと食材と頭皮マッサージでツヤ髪キープ
薬膳では赤色と黒色の食材が血を補うと考えます。特に黒色食材は、生命力を貯蔵している五臓の腎を養い、加齢による髪の悩みを軽減するために、昔から重宝されてきました。
まずは髪の潤いを維持するために、黒色食材を食卓に欠かさないようにしましょう。

・黒豆や黒米を白米に混ぜて炊き込む
・ひじきや昆布の煮物を副菜とする
・炒め物に黒きくらげを加える
・味噌汁にわかめを加える

目や脳を酷使する現代、肩こり、頭痛で悩む方が多く、頭皮も固くこわばっているケースもみられます。
髪に栄養を送るためには、首から頭部の血行を良くすることが欠かせません。髪を洗う時、ブラッシングをする時のマッサージ、リフレッシュタイムのツボ押しなどで頭皮をほぐしましょう。

●シャンプー前のブラッシングマッサージ
●シャンプー前、指先に椿油などをつけて地肌をほぐしてから洗う 
●ドライヤーで乾かす前、育毛エッセンスなどでマッサージする
●風池(ふうち)のツボ
 首の後ろ、髪の生え際にある僧帽筋という太い筋肉の外側にあるくぼみ二か所
●太陽(たいよう)のツボ
 こめかみのあたりで、眉尻から親指幅1本ほど上の、少しくぼんだところ
●百会(ひゃくえ)のツボ
 頭頂部のほぼ中央、両耳の上端を結ぶ線と眉間の中央から延ばした線が交わる点

「寝る子は育つ」と言いますが、逆に睡眠時間を削ると髪と肌の潤いが消耗しやすいので、睡眠時間もしっかり確保してツヤ髪をキープしましょう!

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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