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公開日:2024.08.01 更新日:2024.08.011276view

胃腸バテとは!?漢方で考える原因と対処法

プチ不調は自分でカイゼン Vol.64

夏バテは、胃腸バテのこと!?
蒸し暑い日が続いていますね。
この時期、特に負担になるのが、消化吸収の働きをする、五臓の「脾」(ひ)です。
脾は、食べたものをエネルギーに変えてくれる“元気”製造所なので、弱っている人ほど、胃腸バテになってしまいます。

以下の項目をチェックしてみましょう。
1つでもチェックがあれば、脾の不調=胃腸バテ注意です。

□ 起きた時、枕の跡がついている
□ 筋肉に締まりがない、体がブヨブヨした感じ
□ 便がべとつく
□ 食欲不振、胃が重い、口が粘つく
□ 腸がゴロゴロする
□ 手足に頑固なしびれや重苦しい痛みがある
□ 舌に厚みが合って、両脇に歯の痕がついている
□ 身体がだるく、食欲がない
□ 食後とても眠くなる
□ 雨の日に調子が悪い

また、ストレスによる暴飲暴食や偏食、寝る前の飲食や早食いは、脾に大きな負担をかけてしまします。
お腹の張り、げっぷ、胸やけや口臭、口内炎などの原因になり、お腹が減るとイライラして暴飲暴食を繰り返す負の連鎖に陥りやすくなります。

【脾】を整える簡単養生法
ちょっとした生活の心がけで体調が変わってきます。以下の項目を是非取り入れてみましょう。

●よく噛む
 唾液は脾の働きを助けてくれる名薬です。1口30回!!を意識して食事をしてみましょう。
人間の歯並びを考えてみると、全体の6割は臼歯です。人間に必要な6割の栄養は臼歯を使って食べるものから摂ると考えることができます。臼歯を使って食べるのは米類・芋類・豆類など。
これをよく噛んで食べることが、脾の強化につながります。

●飲食をしない時間を10時間以上取る
1日は24時間で、大きく陰陽で分類すると、12時間の動いて食べる時間と、12時間の休んで食べない時間に分けられます。睡眠時間も含めて最低10時間は、何も口にせず身体を休める時間を作りましょう。特に寝る直前の飲食は、脾にかなりの負担をあたえます。お腹が減ったなと思うくらいで寝るのがちょうどいいですね。

●足三里(あしさんり)のツボ
足のむくみ、疲労回復、だるさ、消化不良などにオススメのツボです。
足の外側、膝の下のくぼみから指の幅4本分下がったところが足三里のツボです。
棒などで、足の外側を上下に動かしてもいいですね。
痛気持ちいいところを念入りにほぐしましょう。

●冷たいものの後には温かいものでバランスをとる
外にいるときや、外から帰ってきたときは冷たいものでクールダウンは必要です。
2杯目からは、常温の飲料が良いでしょう。
特にお腹が弱い人は、冷たいものの後は、白湯などの温かいものを少し飲むと胃バテ対策になります。

夏は生姜、冬は大根で医者いらず
夏の日差しで体表面に熱がこもると、お腹は逆に冷えてくるという考えがあります。
冷たいものを多くとってしまうと、お腹をこわしやすくなる方も多いですね。

・そうめんや冷奴に、生姜やネギ、みょうが
・冷やし中華に、からしやお酢
・お刺身に、わさび、シソ、生姜
・鰻に、山椒
・餃子に、お酢と胡椒
他にも、ウイキョウ、クミン、シナモンなどのスパイスは、健胃作用があり胃を温めます。

私は、小さいときから「お腹だけは冷やすな、いくら暑くてもタオルケットはお腹にあてて寝なさい!」と言われてきました。
中からだけではなく、外からのケアも心がけて、脾をいたわりましょう。

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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