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公開日:2024.03.01 更新日:2024.03.202665view

春のニキビはなぜ起こる?漢方で考える原因と対策法~

プチ不調は自分でカイゼン Vol.59

この時期、肌が荒れるのには理由がある!
春の陽気と共に多くなるお悩みの一つが、ニキビ(吹出物)です。
なぜ春に症状が多く出るのでしょうか?

春になり暖かくなると、動植物すべてが活動をし始めます。
春に春一番が吹くように漢方では、風邪(ふうじゃ)の影響をうける時期と考えます。

冬の間は、運動量が低く巡りが悪くなるために、身体には老廃物がたまりがちになります。
解毒が上手くできていればいいのですが、できていないと風邪(ふうじゃ)により老廃物が、上半身の外側に押し出されると考えてみましょう。

これが、ニキビが出やすい原因の一つと考えられます。

風邪により影響を受けるのが、五臓の肝(かん)になります。
肝が乱れると、自律神経やホルモンバランスなど、身体のリズムが崩れ、症状が日によって移り変わりやすくムラが出てきます。イライラして怒りっぽくなったり、目や爪のトラブル、こむら返りなどが起こりやすくなります。

老廃物を皮膚からではなく、きちんと解毒すること、五臓の肝を整えることがポイントになりますね。


ニキビでよく使用する漢方薬を紹介します。

●清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
体力中等度以上で、赤ら顔で、ときにのぼせがあるものの次の諸症:にきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎、あかはな(酒さ鼻)

●荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張している
ものの次の諸症:蓄膿症(副鼻腔炎) 慢性鼻炎 慢性扁桃炎 にきび
※ここで紹介した漢方薬は、あくまでも代表的なものなので参考してください。実際利用する場合はきちんと相談してくださいね。

肝を整え解毒し、風邪(ふうじゃ)対策

◎肝の高ぶりを抑え解毒する
□春が旬の食材の苦みや香りは、肝の高ぶりを鎮め精神を安定させ解毒を促します。
  苦み・・タラの芽、ウド、フキノトウ、菜の花タケノコ、ワラビ、菊花
  香り・・セロリ、三つ葉、パクチー、シソの葉、陳皮、柑橘類

□食べない時間を多く作り胃腸をいたわりましょう。特に夕食を少なめにし、寝るときには空腹状態であることを心がけましょう。

□夜に、甘い物・辛い物・油っこい物を控えましょう。夜に食べると身体に熱がこもりやすくなります。

□ストレッチなどで身体を伸ばして気を巡らせます。特に脇を伸ばしてみましょう。

□リズムを整えるのが大切です。朝起きる時間は一定にします。ウォーキングなど単純な繰り返し運動もおススメです。

◎風邪を追い払う
□急に薄着になるのはよくありません。特に下半身は冷やさないように心がけましょう。

どくだみ茶で毒出し!
熱を冷まし解毒するお茶としては、ドクダミやハブ茶、ごぼう茶などいろいろあります。ここでは日本の民間薬として有名などくだみについて紹介します。



どくだみを中国語では‟魚腥草(ぎょせいそう)“、英語では‟fish mint”など、魚にちなんだ名前がついているように、強い臭気があるのが特徴です。
どくだみの臭いは乾燥すると変化するため、お茶は飲みやすく健康茶として人気があります。

働きは
●清熱解毒(せいねつげどく)
●排膿、利尿(はいのう、りにょう)
皮膚の炎症や膀胱炎などによく使われます。

どくだみは、医薬品名を「十薬(じゅうやく)」といい、日本薬局方にも収載されているれっきとした生薬です。
薬局では、「便秘がちで吹出物の気になる方に」とパッケージにも書かれています。
手に入りやすい健康茶なので是非お試しください。

どくだみが入っているブレント茶も販売されています。ティーパックになっていて取り入れやすい商品もありますので、探してみてくださいね。

動画で!ニキビといっても赤いニキビ、色のない小さな湿疹、黒ずんだニキビ痕など様々。色違いのニキビ・湿疹をどのようにとらえるのか?


鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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