- 鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中
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漢方救急箱~のどの痛み編~
プチ不調は自分でカイゼン Vol.53
のどカゼを引きやすい環境が揃っている!?
例年とは違う猛暑と集中豪雨。
外の温度と冷房の効いた部屋との気温差。
台風による気圧の変動などが続き、体調が優れずだるい、しんどい、もっと寝たい・・・などの自覚症状とともに、バテ気味の方が増えてきています!
立秋も過ぎ、バテバテの状態に少しずつ忍び寄ってきているのが、乾燥の邪である、燥邪(そうじゃ)です。
燥邪の影響を一番受けるのは、五臓の肺。
肺は、呼吸と水巡りを管理しているので、のど、声、咳に症状が現れやすくなり、さらに鼻炎や痰、肌トラブルが起こりやすくなります。
夏の間、身体にたまった熱は上へ上へと上がってきます。
一方、鼻や口からは乾燥の空気が入ってきます。
これらが落ち合うのが“のど”。
当然、のどの炎症が起きやすくなりますね。
5類に変わったコロナカゼにかかった方の多くは、のどの痛みが主症状のようです。
のどにとっては、トリプルパンチになりますね。
体調が不安定なときほど、カゼにかかりやすいものです。
陽の季節から陰の季節へ、上手に移行することがこの時期のポイントになります。
のどの痛みの漢方薬
家庭に常備していると、いざというときに役に立つ漢方薬を紹介しましょう。
いずれも、のどがガンガンに痛くなってから服用するのではなく、のどの調子がなんとなくおかしいな(未病)と思ったときに、早め早めに対処することで、効果を発揮します。
◎銀翹解毒散(ぎんぎょうげどくさん)又は、銀翹散(ぎんぎょうさん)
ドラックストアのカゼコーナーによく並んでいる漢方薬です。
効能は、かぜによる咽の痛み、せき、口(咽)の渇き、頭痛。
未病時に早めに飲むことをおススメします。
◎桔梗湯(ききょうとう)
白湯に溶かして冷まし、ゆっくりのどの痛いところに馴染ませながら飲むみます。
うがい飲みですね。
効能は、体力に関わらず使用でき、のどがはれて痛み、ときにせきがでるものの次の諸症:
扁桃炎、扁桃周囲炎。
◎駆風解毒湯(くふうげどくとう)
効能は、体力に関わらず使用でき、のどがはれて痛むものの次の諸症:扁桃炎、扁桃周囲炎。
これもうがい飲みが効果的です。トローチ剤になっているのもあるようです。
◎小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)
こじれたカゼや胃腸虚弱、疲労感に使う小柴胡湯に、のどの痛みと炎症をとる、桔梗と石膏が加わった漢方薬です。
効能は、比較的体力があり、ときに脇腹(腹)からみぞおちあたりにかけて苦しく、食欲不振や
口の苦味があり、舌に白苔がつき、のどがはれて痛むものの次の諸症:
のどの痛み、扁桃炎、扁桃周囲炎。
葛根湯との併用で、コロナ憎悪抑制の可能性があるとされて話題になりました。
今でも手に入りづらいようです。
※ここで紹介した漢方薬は、あくまでも代表的なものなので参考してください。実際利用する場合はきちんと相談してくださいね。
のどの痛みの養生法
日々の生活で予防するのが一番です。おすすめののどケアを紹介します。
●梨でのどケア
この時期にのどのケアでおすすめなのが、梨です。
梨の働きは、生津、潤肺、清熱、解酒などです。
のど、鼻、皮膚を潤し、のどの炎症をとる。二日酔いにもおすすめです。
●板藍根(バンランコン)でのどケア
アブラナ科ホソバタイセイの根を板藍根といいます。
カゼや流行性感冒(インフルエンザ)、肺炎、顔面の発赤・腫れ、口内炎、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、など様々な感染症や炎症に、予防として用いることができます。
飴や顆粒が手に入りやすいので、常備しておくと良いでしょう。
●鼻呼吸を意識して!
口と鼻、どちらが異物の侵入を防いでくれるのか?
口呼吸は、直接のどに影響します。鼻呼吸を意識して行いましょう。
鼻うがいもおススメです。
痛いイメージもありますが、やってみると大丈夫だったという方が多いですよ。
●うがい・手洗い・マスクの意識を
基本中の基本ですね。
のどカゼの侵入経路は、口と鼻です。
マスクは、うつさない為ではなく、うつらない為にすると考えて上手く活用していきましょう。
動画で!喉の痛み・イガイガにおすすめの漢方薬と自分でできる対処法
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