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公開日:2023.07.01 更新日:2024.01.103573view

冷房病(クーラー病)とは?~漢方養生で出来る対処法!

プチ不調は自分でカイゼン Vol.51

寒暖差不調に要注意
暑い日に、欠かせないクーラー。
その結果、室外と大きな寒暖差が生まれ、体温をコントロールする自律神経が乱れてしまうことで起きる体調不良を、冷房病(クーラー病)といいます。
その症状は様々で、寒気、気だるさ、むくみ、冷えや肩こり、のどの痛み、頭痛、腰痛、腹痛、胃痛、下痢、生理痛の悪化、神経痛、顔のほてり、微熱、などがあらわれます。

漢方では、夏の、暑邪(しょじゃ)と湿邪(しつじゃ)に加え、人工的な寒邪(かんじゃ)も加わることで、陰陽バランスが崩れている状態と考えます。
特に、気虚(ききょ)体質の方は、要注意。
身体の構成成分の一つである“気”が不足している状態を、気虚といいます。
気は、身体を動かす、温める、守る、変化に対応する、支える、働きをしています。
冷房病は、変化に対応する力が落ちている状態ですね。

冷房病がきっかけで、梅雨バテ、夏バテ、秋バテと、人によっては11月くらいまで不調が長引く傾向があるので、早くからの対策が必要です。

冷房病に対応!寒暖差に強くなる養生法とは
"1日の大半を、冷房が効いた部屋にいる方は、以下の養生法を実践してみましょう!

●3首を冷やさない
手首、足首、首回りを3首といいます。
3首は筋肉や脂肪でコーティングされていないので、寒邪の影響が受けやすい場所になります。
ストールやひざ掛け、靴下などで、冷気から体を守りましょう。

●入浴で身体をリセット
冷房の影響で、血行が悪くなっています。
シャワーで済ませず、ゆっくり入浴することで身体をリセットします。
好きな香りの入浴剤もいいですね。

●補気と発汗
身体を温め発散の働きのある、生姜、ネギ、シソ、シナモン、ワサビ、からし、みょうが、など薬味を使って温めましょう。
また、かぼちゃ、にんじん、椎茸、とうもろこし、ナツメ、雑穀、豆類、いも類などは、気を補う食材です。積極的に摂りましょう。

しょうがで「冷房病」対策
"生姜には「ジンゲロール」と呼ばれる辛味成分がたっぷり含まれており、これを加熱や乾燥することでできるのが「ショウガオール」です。
どちらの成分も、血行を良くして、身体の冷えを改善する作用が期待されると考えられています。
ジンゲロール:血液の流れを促進
ショウガオール:深層部から熱を作り出す

生姜を漢方的に分析すると、

◎発汗作用
身体を温め、発汗することで寒さを散らす。カゼ予防やちょっとした寒気に良い
◎止嘔作用
吐き気、嘔吐に良い。特に冷えからくるものに有効
◎解毒作用
魚介類、エビ、カニなどの中毒予防および解毒

【夏は生姜、冬は大根で医者いらず】
夏は冷たい物でお腹を冷やしがちなので、生姜で温め胃腸の働きを促進させる、冬は反対に暖房などで体内に熱がこもるので大根で消化を促進させると共に体を適度に冷やすという養生法です。

冬の寒さとカゼ予防でしょうが湯のイメージが強いと思いますが、夏の冷え対策にも効果的ですね。一番身近な薬味です。意識して活用しましょう。

しょうが湯を作って、いろいろアレンジして楽しみましょう。

【準備】
しょうが・・・100g
よく洗って、皮ごと薄切りにします。ザルなどに並べて天日干しで水分を飛ばします。
天日干しの前に、キッチンペーパーを敷き、ラップをせずに電子レンジ(500W)で5分加熱してもいいです。

【アレンジ】
・しょうがスライス2切れを細かく刻み、お湯を150ml注ぎます。
お好みによりはちみつやオリゴ糖を加えます。
・お湯の代わりに、甘酒、紅茶、ホットミルクにしてみるのもおススメです。

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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