- 荒毛 克麻 - Katsuma Arake
[カガエ カンポウ ブティック パルコヤ上野店店長・薬日本堂漢方スクール講師]
自身の体調を崩した事をきっかけに、薬日本堂漢方スクールにて漢方を学び始める。養生・漢方の魅力を多くの方に伝えたい想いから、2012年薬日本堂に入社。現在はカガエ カンポウ ブティック パルコヤ上野店店長として、漢方相談を行いながら、スクール講師を務める。ダイエットや美容の相談を得意とし、笑顔になれるカウンセリングに定評がある。テレビ新潟では、漢方コーナー「おしえて漢方」の出演経験も持つ。
イキイキとした人生は“腎精”UPするべし!17-19時の過ごし方
漢方と体内時計~健康を導く24時間の過ごし方vol.11
健康と長生きは、人類の永遠のテーマ
健康で美しく長生きしたいと思うのはいつの世も変わりません。
太古の昔より私たち人類は、「疫病や病を治したい」「延命長寿」「子孫繁栄」と研究を重ねて、今日までの医学に繋がっています。
漢方を含め世界には色々な医学体系がありますが、核となる想いは「健康で長生きしたい!」と共通していると思います。
日本は世界の国々と比べると「長寿国」と言われています。
平均寿命は、男性は 81.4歳、女性は87.5歳。一方で健康寿命は男性72.6歳、女性75.5歳。
世界でもトップクラスの寿命!ただ平均寿命と健康寿命では約10歳ほどの開きがあり、少しづつ差が広がってきていると言われます。(2021年厚生労働省調査結果)
健康で長生きするための古くからの智慧として、漢方では生命を養う(=養生)という考え方があります。
今回紹介する時間の「酉(とり)の刻」(17~19時)を担当する五臓六腑の“腎(じん)”は生命力=精(せい)をためている大切な働きを持っていて、エイジングにとても深~い関りがあります。
まずは漢方で考える“腎“の働きと、17時~19時の過ごし方、その対策をみていきましょう!
漢方で考える腎の働き
①蔵精(ぞうせい)作用
漢方でいう“精”は、気(エネルギー)・血・骨・歯・脳・生殖・生命(いのち)などの原料となると言われています。“精”は両親からもらいうける“先天の精(せんてんのせい)”、飲食物から体でつくる“後天の精”の2つあります。
どちらの“精”もたくわえられているのは“腎”になります。
漢方を学び始めた時に、先天の精は「両親からの財産」、後天の精は「働いた給与」でイメージしていました。
腎精が足りなくなると・・・成長が遅い(発育不全)、子宝に恵まれない(不妊)、骨がもろくなる、聴力・記憶力・泌尿器系の働きが衰えます。
②水主(すいしゅ)作用
全身の水分代謝をコントロールしている働きです。
体の水分を巡らせ、不要な水は膀胱に送り体外に尿として排泄します。
この働きが失調すると・・・泌尿器系のトラブル(頻尿、夜間尿、膀胱炎など)があらわれます。
●腎の働きを高める17時~19時の過ごし方
①食事で精をつける:夜ご飯はこの時間帯に食べましょう。
特に「精がつく」食材を積極的に摂り入れるのがBEST!
②腰を温める:“腎”は腰に位置して、寒さに弱い性質があります。
夕暮れ時は気温が下がるので、腰回りの温めを意識しましょう!
③性のかかわり:房事(性行為)の不摂生は“腎精”を消耗させます。
年齢ごとの目安回数は「20才は4日に1回、30才は8日に1回、40才は16日に1回、50才は20日に1回、60才は体力盛んならば1カ月に1回」(引用:貝原益軒 養生訓より)
腎精を消耗させるよりも、補うことにこの時間帯は集中しましょう!
ちなみに房事を行う時間は、亥の刻(21時-23時)が適しています。
“腎”を労わるポイントとしては、“精”をいかに補い、“精”を消耗させないかがカギになります。
今回は、腎精がつく食材と代表的な漢方をご紹介します!
人生イキイキ “腎精”によい食材と漢方薬
“腎精”がつく食材のポイントは2つ!!
①黒い食材:黒豆・黒ゴマ・黒米、のり、ひじきなど
②海の食材:エビ、イカ、ホタテ、牡蠣、のり、ひじきなど
“精”は毎日コツコツと取り入れられるとGOOD!
楽して補っていく食生活のコツは、「現在の食生活へのちょい足し」が続けられておすすめです♪
・黒ゴマをふりかける
・黒豆茶を飲む
・干しエビ、ホタテなどで出汁をとったスープを飲む
・野菜炒めの隠し味に干しエビや黒ゴマを加える
私はこの時間帯に、擦った黒ゴマを入れたプロテインを飲んだりもします。
“腎”をととのえる代表的な漢方薬
八味地黄丸(はちみじおうがん)
<効能効果>
体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿でときに口渇があるものの次の諸症:
下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)軽い尿漏れ
<漢方的効能>
温補腎陽(おんほじんよう)
腎陽虚という、“腎”が弱り、寒がり冷え性な体質に使う漢方薬です。効能効果を見ると、年齢を重ねると気になる症状ばかりですね。
漢方薬の紹介は一例です。効能効果で判断せずに漢方専門の相談員にご相談ください。
薬日本堂では、来店・電話・オンラインと、いろいろな方法で漢方相談を行っています。まずはお気軽にご相談くださいね。
次回は戌の刻(19-21時)
「和漢の力を活かしたバスタイム!19-21時の過ごし方」
担当する心包経とその時間帯の過ごし方について語ります。お楽しみに。
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<共著>
- 原口 徳子 - Noriko Haraguchi[中医師・薬日本堂漢方スクール講師]
1963年仙台市生まれ。高校生の頃に太極拳を学び、経絡や気の流れに興味を持つ。家族の転勤で2003年から10年ほど中国に住む間に、上海中医薬大学で中医学と鍼灸推拿学を7年間学ぶ。修士号(中医学)を取得して卒業、中医師の資格を取得後2014年に帰国。「お母さんと子供を元気にする漢方と養生」の普及のために活動中。
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