- 鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中
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春から始める!デトックス~花粉症対策~
プチ不調は自分でカイゼン Vol.35
陰から陽への切り替えをスムーズに!
陰の季節から、陽の季節である春に切り替わるこの時期は、同時に身体も陰から陽への切り替えが必要になります。
毒だしを意識した生活を心がけ、食べ過ぎに注意し、冬の間に増えた体重を落としておくと体調は整います。
漢方では、春は五臓の「肝」(かん)が高ぶりやすい季節と捉えます。
この肝の高ぶりは、イライラや不眠、のぼせ、めまいといった不調を招くほか、胃腸の働きを弱めてしまう特性があります。
そして、春は風の季節で、この風が身体に悪影響を与えると、くしゃみや鼻水に代表される花粉症の症状や頭痛、皮膚のかゆみ、肌荒れなどが起こりやすくなります。
花粉症で、水様の透明な鼻水がダラダラと出ているのは、身体がまだ陰の状態であるサインとも考えられます。
症状がひどくなっている方や、薬が効かなくなっている人ほど、冷たい物を控え、陽を補う生活養生が必要です。
花粉症でよく使われる、代表的な漢方薬を紹介しましょう。
【小青竜湯(しょうせいりゅうとう)】
効能効果:体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様のたんを伴うせきや鼻水が出るものの次の諸症:気管支炎、気管支ぜんそく、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症
【麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)】
効能効果:体力虚弱で、手足に冷えがあり、ときに悪寒があるものの次の諸症:感冒、アレルギー性鼻炎、気管支炎、気管支ぜんそく、神経痛
※上記の漢方薬は一例です。専門の相談薬局で体質にあった漢方薬をご利用ください。
花粉対策にもなる!陰から陽への漢方養生法
●温飲・温食を徹底!
特に夜の温飲・温食を意識します。
生姜、シソ、シナモンなどは、温めて巡りを強化してくれますので、薬味として使うなど、上手に利用しましょう。普段のお茶にトッピングしてもいいですね。
ニラ、ネギ、らっきょうは、補陽・辛温の働きがあるので、身体を温め、巡りが強化されます。
意識して取り入れましょう。
●食べ過ぎ注意!
胃腸の働きを整えるのに、食べない時間を確実につくる習慣を意識してみましょう。
目安は、10時間~12時間。
睡眠時間に寝る前の時間をプラスして10時間は何も食べず、胃腸を休ませます。
暗い陰の時間に休ませるのがポイントです。
お腹が減っていなかったら、夜ご飯を抜いてみるのもおすすめです。
●よく寝る
この時期、いくら寝ても眠いという方も多いですね。
季節の変化に順応しようという身体からのサインかもしれません。
元気を補うのは、寝る→食べる→動く、の順番です。
朝起きる時間は変えずに、疲れた時は早く寝るようにしてみましょう。
シソの葉で花粉症対策!
シソの葉は、生薬名を蘇葉(そよう)といいます。
よみがえる葉ですね。
これは、魚やカニの食べ過ぎでお腹を壊したときにシソを煎じて飲み、回復したことから付けられたとされますが、この時期に身体を蘇らせる意味で使ってほしい素材です。
働きは、解表、散寒、行気、和胃、解毒、など。
寒さを取り除き、お腹を温め、気を巡らせ、消化を助け、カゼの予防にもなる優れものです。
栄養面でも、ビタミン類とミネラル類を豊富に含んでおり、特にβ-カロテンとカルシウム、ビタミンB1の多さは野菜の中でも群を抜いています。
赤シソはアントシアニン、青シソには香り成分とβカロテンが多く含まれており、薬効が高いのは赤シソ、栄養価が高いのは青シソだといわれていますが、どちらもおススメです!
ちょっとした薬味としていっぱい使いましょう。
また、シソ茶やシソジュース、シソ酒にしてもいいですし、シソの葉をドライにして細かく刻み、パセリのように使ってみるものおススメです。
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