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公開日:2022.01.20 更新日:2022.01.204220view

寒くて寝つけない冬の不眠に「ナツメとハスの実の甘煮」

季節を感じて気軽に薬膳 vol.20

春の一歩手前で寒さ厳しい「大寒」
二十四節気の大寒、一年で最も寒くなる時季。
夜明けの一歩手前で暗闇を強く感じるのと同様、春の一歩手前の大雪や冷たい風で寒さを強く実感します。

外に出る時は、体幹であるお腹と腰を守りましょう。
手足の末端と首の冷えは血行不良につながります。
肩こりやしもやけだけでなく、肌あれの原因にもなるので注意しましょう。

意外と多い冬の不眠
まだまだ夜は長く、日照時間が短いのがこの時季。
太陽の力が得られないと、ホルモンバランスの点からも眠りのリズムが乱れやすくなります。
布団に入っても寒くてなかなか寝つけない、眠りが浅くて夢が多いなどはありませんか?

良質な眠りは、免疫強化や回復力強化の源です。
寝室は床に就く前に暖めておく、日付が変わる前に床に就く、冷え性の方は足元に湯たんぽを使うなどは、基本的な対策です。

眠る少し前に、飲み物でお腹を温めておくのもよい方法です。
深い眠りに必要な血を補い、気持ちを安定させる働きがあるナツメを加えたカモミールミルクティーはおすすめです。

乾燥したナツメを刻んでカモミールと共に少量のお湯で煮出します。
そこに牛乳を加えれば出来上がり。
ナツメとカモミールのほんのりとした甘味で癒されます。
ナツメには大きく尖った種があるので注意しましょう。

気血を補い、眠りを助けるナツメとハスの実
普段から気血を補って心をしずめ、眠りを助けることも大切です。
ナツメとハスの実はうってつけの食材。
どちらもお腹の調子を整えて元気を補ってくれます。
煮物や鍋料理に加えるのもよいでしょう。

今回はお茶請けにできる甘煮を紹介します。
日中、忙しい時にも気分を落ち着かせるのにおすすめです。
貧血傾向でふらつく方も、少量ずつ続けて召し上がるとよいでしょう。

【材料】(作りやすい分量)
ハスの実(乾燥)50g
ナツメ(乾燥) 30g
ハチミツ 30g
水    300cc

【作り方】
①ハスの実は水に一晩浸けておく。
②ナツメは洗って①と共に鍋に入れて中火で15分程度煮る。
③ハチミツを加えて、さらに15分程度煮詰める。
④水分がなくなったら出来上がり。

【薬膳食材メモ】
ナツメ:温性/甘味 お腹の調子を整えて気血を補い、気分を安定させる。
ハスの実:平性/甘味 気を補い、不安や不眠を解消する。

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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