- 鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中
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花粉症になぜ小青竜湯がいいの?
プチ不調は自分でカイゼン Vol.23
青龍は海の王、雲水を動かす力がある!
眠くならない花粉症の漢方薬~小青竜湯(しょうせいりゅうとう)と書かれたPOPがドラックストアの花粉症コーナーに出る季節になりました。
今回は、小青竜湯がなぜ花粉症におススメなのかを解説します。
小青竜湯の効能効果
体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様のたんを伴うせきや鼻水が出るものの次の諸症:
気管支炎、気管支ぜんそく、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症
小青竜湯に入っている生薬は、麻黄(まおう)、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、細辛(さいしん)、乾姜(かんきょう)、五味子(ごみし)、半夏(はんげ)、甘草(かんぞう)の8種類。
これらの生薬の働きを分析すると…
表面に溜まっている鼻水を温めながら発汗し外に追い出す | 麻黄、桂皮 |
肺を温め、血水の巡りを良くして鼻の通りを良くする | 乾姜、細辛、桂皮 |
咳を沈める | 麻黄、五味子、半夏、細辛 |
収斂(しゅうれん)により咳を沈め鼻水を止める | 五味子 |
痰をとる | 半夏 |
発汗による消耗を補う | 芍薬、甘草 |
これらのはたらきから、
『鼻水や痰、咳を沈め、身体を温める事で巡りを良くする』のが、小青竜湯になります。
水様の透明な鼻水が出ている場合は寒、黄色い鼻水の時は熱を持っていると考えられるので、小青竜湯は水様の透明な鼻水の場合に使用します。
どのような働きがあるか、わかって利用することで、身体に良い影響を及ぼします。是非、参考にしてください。
処方名に使われている青龍とは、伝説の中の海の王であり雲水を動かす力があります。
また、方角では東を司る神獣です。
中国の東の地(日本も含む)は湿気が多い地域のため身体に水が溜まりやすく、そのため小青竜湯には余計な水を排除する生薬が多く含まれています。
※実際に利用する際は専門の相談薬局に相談してください。
花粉症を軽減!簡単養生法
季節が冬から春に変化しているのに、身体が季節の変化に順応できず、いまだに冬の状態を引きずっている方ほど、症状はひどいようです。
水様の透明な鼻水は、身体が冷えているサイン。
花粉症の薬が効かなくなっている人ほど、冷たい物をとっているのでは?
今からでも間に合う、生活に取り入れやすい簡単養生法を紹介します。
●温飲・温食の徹底!!
特に夜の温飲・温食を意識します。
氷、冷たい飲み物、食べ物禁止!!・・・くらいの意識で取り組んでください。
ネギ、生姜、シソ、シナモンなどは、五臓の肺と脾を温めて巡りを強化してくれますので、薬味をうまく利用しましょう。シソ茶や生姜湯、シナモンティなどもいいですね。
また、食べ過ぎも良くありません。
お粥やうどん、野菜スープなど、『胃腸に負担をかけないやさしい食事に旬の素材』を心がけてください。
●よく寝る
この時期、いくら寝ても眠いという方も多いですね。
季節の変化に順応しようと頑張っているサインかもしれません。年末年始かなり無理した方ほど、変化に対応できていません。
夜更かし厳禁!体力回復をはかりましょう。
また、余寒が残り寒暖差が大きく、風が舞う時期です。
外出時は、絶対に油断せず、防寒を徹底してください。
甜茶で花粉対策
花粉が飛散し始めたこの時期には、症状の軽減が最優先。
今回は甜茶を紹介します。
甜茶とは様々な植物を含む「甘いお茶」の総称です。
花粉対策に有効とされるのは、バラ科の甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)という種類の植物です。
甜茶の成分であるポリフェノールは、よく煮だした方が抽出されます。
弱火で加熱し沸騰後、5分~10分煮だすようにしてください。
生姜やシソ、クコの実などをトッピングしても楽しいですね。
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