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公開日:2020.12.10 3063view

在宅勤務の巡り不足解消「春菊とニラの胡麻和え」

家族の薬膳 〜家族を守るママの養生 Vol.15〜

在宅勤務で身体に不調が!?

新型コロナウイルスと共に暮らした2020年も、もう12月。
感染対策で、在宅勤務が増えたり、出かける用事を控えたりと、今までより活動範囲が狭くなった方がほとんどだと思います。

そんな中で気づかされるのは、特に運動をしていなくても、出勤の移動だけで結構歩いていたということ。
私の場合、歩数計アプリの記録で出勤時は約8000歩ありますが、在宅勤務+保育園の送迎で約3000歩に下がっていました。保育園の送迎が無かったらほぼ歩いていないような数値に。

在宅勤務になった方からよく聞くのは、活動量が減ったことでの体重増加や、座りっぱなしで仕事をする時間が増えたことによる、首・肩・腰の痛みなどです。
パソコンでの作業は、集中すると画面に顔が近づきがちになり、目や首への負担が増えていることもあります。
椅子に深く腰掛けて、背もたれを使い、画面から顔を離した姿勢で過ごすことが、厚生労働省の「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備」でも推奨されています。意図的に椅子に深く腰掛け、背もたれを使うように心がけましょう。

肩こりは気血の巡り不足

漢方では、エネルギーである気と栄養である血の巡りが悪いと、肩こりや腰痛などの不調が起こると考えます。
普段より歩かなくなり、動く機会が減った身体は、気血の巡りが鈍っています。
また冬は寒さで身体が縮こまり、さらに気血の巡りが悪くなってしまいます。

冷え対策と気血を巡らせることで、肩こりや腰痛を改善しましょう。
在宅勤務時に出来る対策としては、1時間おきに立って動く、こまめに肩や首を回す、ストレッチをする、温かいお茶を飲むなどがあげられます。
夜は湯船でしっかり身体を温めることも大事ですね。

薬膳としては、気と血の巡りを良くする食材がお勧めです。
今回は、春菊とニラの胡麻和えをご紹介します。
春菊もニラも、子供は好まない野菜なので、食卓から消えがちですが、副菜にすると、巡り不足の大人だけが食べられて便利です。
運動不足で沈みがちな気分もすっきりさせてくれます。

材料
・春菊:1/2束
・ニラ:1/2束
・塩:少々
・黒胡麻:小2(すった状態で)
a
・砂糖:小1
・みりん:小1
・しょうゆ:小1

作り方
①春菊、ニラは洗い、食べやすい長さに切ります。
②黒胡麻をすり、aを合わせておきます。
③鍋に湯を沸かし、塩少々を入れ、春菊とニラをさっと茹でます。(湯通し程度で大丈夫です。色が変わったらあげます。)
④よくしぼり、②と和えたら完成です。

食材メモ
春菊:気の巡りを良くし、胃腸機能を整えます。水の巡りをサポートし痰切れを良くします。
ニラ:腎の働きを高め、身体を温め、足腰の冷えを和らげます。気血の巡りを良くします。

かぜ予防もしっかりと

肩こりなどと共に、最近気になるのはかぜ対策。
私はのどの違和感がある時、大根飴とともに、エキナセアチンキも作ってうがいに使っています。

「チンキ液」はアルコールを使って植物から成分を抽出した濃縮エキス。
「エキナセア」は古くから傷の手当てや咳止め・のどに使用されてきた、欧米ではポピュラーなハーブです。

エキナセアチンキはご自宅でも簡単に作れます。
エキナセアのハーブ(ハーブショップやインターネットで手に入ります)4gを、アルコール度数40度以上のウォッカ100mlに2週間つけるだけ。
エキナセアとウォッカを、消毒したビンに入れ、窓際の日当たりの良い場所に置き、毎日ビンを振って2週間つけます。
完成したら、茶漉しなどで漉して、保存容器に入れ、冷暗所で保管します。

のどに違和感を感じた時は、水を入れたコップにエキナセアチンキを数滴入れてうがいをすると、翌日にはすっかり違和感が消えています。手軽なので、ぜひお試しください。

市川 三弓
市川 三弓 - Miyumi Ichikawa

漢方スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、ハーバルセラピスト、フードコーディネーター。一児の母。自身の体調不良をきっかけに漢方・薬膳を学ぶ。肉親の病も薬膳でサポートし克服。飲食店舗での薬膳イベント開催や薬日本堂でのセミナー講師を経て、現在は子供向けの薬膳を日々研鑽中。

◎レシピ協力
『薬日本堂の漢方で体をととのえる穀菜食』(主婦の友社)
『はじめての漢方ライフ 薬膳レシピ&食材べんり帳』(主婦の友社)
◎子供のご飯記録:https://www.instagram.com/ikumeshi2017

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