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公開日:2020.11.10 更新日:2020.11.104842view

培土生金で健康美に!「山芋とあおさのすり流し汁」

未病を癒す美養生 Vol.10

秋は肺金のつながりを重視しよう
秋も深まり、朝晩は空気がひんやりしてきました。

この時期になると、毎年、空咳や咳喘息に苦しむ人が少なくありません。
マスク生活が定着した今年は、ちょっとした咳にも敏感になりがちです。
「マスクの下で咳き込んだら、とてもイヤな顔をされた」という話も。
これでは、気にするほうも、気にされるほうも気が滅入りますね。

秋は、五行(木・火・土・金・水)の中の「金(きん)」の季節。
五臓の肺、六腑の大腸、そして肌に深く関係しています。
秋になると、かぜをひいたわけでもないのに咳が出るというのは、まさにこのため。
皮膚が乾燥したり、便通が不調になったりするのも、五行の「金」と密接に絡んでいるのです。

五行には、お互いを生み出す関係(相生関係)があり、「金」は「土」の子供、つまり土から生じるとされています。秋に決まって不調があらわれる人は、「金」の親である「土」、つまり消化器官の力が弱っているからかもしれません。

では、「金」のトラブルを予防するためにはどうすればよいか。その答えは「土」を養うこと。
これを東洋医学では「培土生金(ばいどせいきん)」といいます。

山芋は脾と肺を養うパワフルな食材
そこで、日々の食事で「培土生金」を狙った養生をしましょう! 

いちばんのオススメ食材は「山芋」です。
〝山の薬〟の別名をもつ「山芋」は、手軽に使える薬膳食材の代表格。特に注目したいのが、「土」にあたる五臓の脾と、「金」にあたる肺の両方を補う作用がある点です。

今回ご紹介するのは、「山芋とあおさのすり流し汁」
いつもの味噌汁にすりおろした山芋を加え、加熱するだけのシンプルな料理ですが、この方法なら、面倒くさがりの人でも毎日、山芋のパワーを取り入れられると思います。

秋の咳を何とかしたいなら、痰を取り除き、咳を止める作用がある海苔をプラスするのがオススメ。さらに、肺を温め、咳を鎮めるおろし生姜を加えれば、弱りがちな胃の働きをサポートすることもできるでしょう。

すりおろし山芋は、味噌汁だけでなく、洋風、中華風のスープやなべ物などに加えてもOK。加熱するとスープにとろみがつき、体が芯から温まります。
長芋の「培土生金」パワーでお腹と肺の両方を元気にし、体の内側から健康的な美しさを底上げしてください。

【材料】(2人分)
・長芋…80g
・だし汁…400㏄
・あおさ(乾燥)…3g
・味噌…大さじ1の1/2
・おろし生姜…1片
・長ねぎ(小口切り)…少量

【作り方】
①長芋は皮をむいてすりおろす。あおさは水で戻し、ざるにあげる。
②鍋にだし汁を入れて火にかけ、沸騰したら長芋を加えて1~2分煮る。
③火を弱めてから味噌を溶かし、あおさを加えてひと煮たちさせる。
④椀に入れ、長ねぎを散らし、おろし生姜を加える。



岡尾 知子
岡尾 知子 - Tomoko Okao

漢方養生指導士(漢方上級スタイリスト)、国際中医師、国際薬膳師、鍼灸師。美容・健康をテーマに美容・健康エディターとして仕事をする中で東洋医学に関心をもち、漢方、中医学、薬膳を学ぶ。雑誌やラジオ、イベントなどを通じて、美容と健康のための薬膳や養生についての啓発活動を行う。はり師・きゅう師の国家試験に合格し、鍼灸師として東京の「池袋ひりゅう鍼灸院」で臨床にあたっている。詳しい情報は「LOTUS(ロータス)薬膳教室」「薬膳ノート」で検索を!

◎薬膳教室:「TUMUGU東京青山」http://www.tumugu-aoyama.jp/

◎HP:「薬膳ノート」http://www.yakuzennote.com

◎ブログ「Eat & Run! 岡尾 知子の美・薬膳な日々」http://ameblo.jp/yakuzen-navi/

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