- 藤井 早苗 -Sanae Fujii-
『あたまから元気!』『ヘッド・リラクゼーション』等の著者、パティル・シーマ氏に師事。渡印を重ねアーユルヴェーダの知識、技術を学ぶ。現在は、おうちサロン『アーユルヴェーディックサロンあーと』を開き、仙台を拠点にアーユルヴェーダやヨーガセラピーの普及をしている。また、ハーブやスパイスを使った手軽にできる、美容・健康法のワークショップ・講座も行っています。
晩秋は腰痛・関節痛に注意!!薬草オイルで冷えを解消
アーユルヴェーダ:古代の英知がもたらす養生術vol.2
女心と秋の空~天候が変わりやすい秋の体調不良
こんにちは。アーユルヴェーダ担当の藤井です。
『With 新型コロナ』の新生活に少しずつ慣れてきた頃でしょうか?
今年はCOVID19で始まり、夏は例年にない酷暑になり、あたふたしている間に、季節は秋晴れの10月。
さわやかな季節と言われている秋ですが、実際には長雨や台風の発生と気候が変化しやすい時期で、身体の不調が現れやすい季節でもあります。
また、1日の中でも朝晩と日中の寒暖差が大きい季節でもあります。
これによって、自律神経の働きが乱れると、易疲労、疲れがとれにくい、食欲不振、便秘、下痢など、体の不調が現れます。
また、寒暖差の大きさは、体の冷えの原因にもなり、基礎代謝の低下により、肩こり、腰痛が起きやすく、その他、肌荒れや肌の乾燥にもつながりやすくなります。
そんな秋をアーユルヴェーダでは、どのようにとらえられているでしょうか。
『ヴァータ・ドーシャ』に左右されやすい秋
日本の秋は、天候の変化、気温の変動が多く、とても不安定な季節です。
冬に向けて、空気は冷たく乾燥してきます。
ここで、アーユルヴェーダの基本理論の復習です。
アーユルヴェーダでは、宇宙を構成している物は全て、5つの元素『空・風・火・水・地』で創られているとされ、その5つの元素から生命活動を維持している『ヴァータ、ピッタ、カパ』の『ドーシャ』と呼ばれる3つのエネルギーが派生します。
3つのドーシャは、『空と風』から『ヴァータ』、『火と水』から『ピッタ』、『水と地』から『カパ』が創られ、この3つのドーシャが相互に働き、あらゆる生命活動が行われているという理論です。
この3つのドーシャのバランスが人それぞれ違い、その違いが個性としてあらわれます。これを体質といいます。
そして、そのドーシャのバランスが乱れると、不調になります。
『ヴァータ』の特徴
前述の秋の特徴をあらわす『不安定』『冷たい』『乾燥』の性質は、『ヴァータ』の性質と酷似しています。
ヴァータは、構成している『空と風』から『風のエネルギー』とも呼ばれ、『軽性・移動性・不安定性・乾燥性・冷性』など風の性質を持っています。
これらのことから、秋は『ヴァータ』が優勢な季節で、身体内にはヴァータが増加し乱れやすい状況といえます。
ヴァータの乱れは、その性質を過剰に高め、身体に『腰痛、頭痛、関節痛などの痛み、肌のひび割れ、乾燥肌、便秘』などの症状があらわれます。
これらは、秋にあらわれやすい症状と同様です。
それでは、秋にオススメなアーユルヴェーダのセルフケアを1つ紹介しましょう。
ポイントは『乱れたヴァータの鎮静』
アーユルヴェーダのケアでは、症状を緩和させるような対症療法ではなく、原因を取り除く方法を用います。
アーユルヴェーダでは、ドーシャの乱れのほとんどが増加によるものです。
今回は、ヴァータの増加による乱れを調整します。
古典書には『物質の類似は常に増大を引き起こし、相違は減少を引き起こす』とあります。
ヴァータを鎮静させるために『不安定性、乾燥性、冷性』と反対の性質『安定性、油性、温性』のもので調整します。これらの性質を持つのは『油』です。
(画像:アーユルヴェーダ薬局にはオイルがたくさん並んでいます)
なかでも、ゴマ油は、それ自体が体を温める『温性』を持っていてヴァータを鎮静するのに最適であり、体力を増進し、皮膚に良く、身体を丈夫にする、と古典書にあります。
そこで、今回は、ゴマ油を使ったセルフケア法とそれに使う薬草オイル作りの紹介です。
冷えを改善し体に潤いを与える薬草オイル!!
今回は、冷えによる腰痛、関節痛にオススメの『ショウガオイル』の作り方です。
ショウガは、温性があり身体を温めてくれます。
そのショウガを使ったオイルケアは、身体の冷えからくる腰痛、関節痛など冷えの症状を軽減してくれます。
【作り方と材料】
① 耐熱ガラスの容器にゴマ油1カップを入れ、そこにショウガパウダー小さじ2を入れる。
② 30分ほど湯煎にかける。
③ そのまま1~3日置いて、布で漉したらショウガオイルのできあがり。
【オイルケアの方法】
押したり揉んだりせず、気になる部分に丁寧に優しくオイルを擦りこみます。約30分経ったら入浴し、お風呂上りに再度、薄く塗布します。
手足の冷えが気になる、咳が出る、風邪のひき始めの寒気にも使えます。
※肌の状態をみて、刺激が強い場合は使用を中止してください。
今回は、腰痛にオススメの数あるセルフケア法のひとつをご紹介しました。皆さんも冷え対策しながら、快適に過ごしましょう♪
※腰痛、関節痛の原因は様々です。症状が改善しない時やひどい痛みの時は、専門の医療機関を受診しましょう。
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