漢方ライフ読む(コラム一覧) > のぼせ、ほてりの原因と対策・解消法を紹介!
公開日:2020.07.01 更新日:2023.05.08122394view

のぼせ、ほてりの原因と対策・解消法を紹介!

プチ不調は自分でカイゼン Vol.15

のぼせやほてりにはタイプがある
夕方から、首~耳にかけてほてりを感じ始める。夜ねるときには、手足と首から上全体がほてりと熱感で眠れず寝汗をかくようになっていく。保冷剤で冷やしながらなんとか対応。
不安から、熱を測ってみると36.5分。症状の強弱はありますが、仕事中もほてりと熱感の状態が出るようになる。

これは、私が4か月前に経験した症状でした。
新型コロナの感染が拡大している時期だったので、感染?という不安を抱くと、それがさらに悪循環を引き起こしていきました。まさに‟病は気から“を体験。

のぼせやほてりには、いろいろな原因が考えられます。

●イライラやストレスでカーッとのぼせるタイプ【肝火、心火】
仕事中や血圧が高くなること等によっておこるタイプで、感情や意識が高ぶっている状態です。

●血流が悪いことによっておこる冷えのぼせタイプ【瘀血】
ホルモンバランスの乱れや不摂生によって血流が悪くなり、下半身は冷えて上半身や首から上がのぼせている状態です。

●からだの潤い不足により夕方から夜にほてるタイプ【陰虚】
加齢や水分の摂取不足、頻尿や発汗などによっておこる体の潤い不足状態です。

原因は1つに限らず複数の原因が重なり合い複雑になっているようです。

例えば、更年期のホットフラッシュは3つの原因すべてが関係していると考えます。
そして、4か月前の私の状態は、肝火心火と陰虚が一緒になっていたと思います。

これからの夏時期は、暑さにより【肝火心火】の状態になりやすく、汗のかき過ぎにより【陰虚】になりやすいので、のぼせ、ほてりの症状は出やすくなります。

『余分な熱をとる』『血流を良くする』『潤いをチャージする』生活を心がけることが大切です。

漢方薬では、
釣藤散(ちょうとうさん)・・肝火心火
目安:血圧が高く、のぼせ気味でめまいなどの症状がある方
加味逍遙散(かみしょうようさん)・・肝火心火、瘀血
目安:イライラや更年期によるホットフラッシュ等の症状がある方
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)・・肝火心火、陰虚
目安:手足のほてりや頻尿で目の疲れや充血がある方
などが使われます。
※漢方薬は一例です。専門の相談薬局で体質にあった漢方薬をご利用ください。

のぼせ、ほてりの簡単養生法
どのタイプでも意識してほしい簡単養生法を紹介します。

●水分をしっかりとる
夏の暑い時期は汗で水分が蒸発するので、普段と同じ水分量ではトイレに行く回数が少なくなります。普段と同じ数だけトイレに行くように意識して水分をとるように心がけましょう。

【肝火心火タイプ】・・ドクダミ茶、緑茶
【瘀血タイプ】・・ルイボスティ、マイカイカ(バラの蕾)、サンザシ
【陰虚】・・甘酒、ハトムギ茶、黒豆茶
などがおススメです。

●ツボ
太衝(たいしょう):足の甲にあるツボです。
親指と人差し指の骨と骨の合流点にあるくぼみを痛すぎない程度にマッサージしましょう。
寝る前にほぐしておくといいですね。

●酸味をとる
汗がふきでる、寝汗がひどいなど、必要以上に汗が出ている時は酸味が有効です。
梅干し、レモンやグレープフルーツ、酢の物などはおススメです。
漢方養生では、「酸甘化陰」(さんかんかいん)といって酸味と甘みは潤い(陰液)を作るという考えがあります。
はちみつレモン、夏野菜のピクルスなどおススメです。

クコの実と菊花で、のぼせ、ほてり解消

クコ(枸杞)の実は、陰虚タイプ
潤いをチャージすることで、ホルモンバランスを整え、目や筋肉に栄養を届けます。
近年はゴジベリーともいわれアンチエイジングに有効のスーパーフードとして注目されています。

菊花は、肝火心火タイプ
イライラを沈めると共に、目の充血、のどの痛み、熱感に有効です。
苦みが特徴で、苦みは体の余分な熱を冷まします。

クコの実と菊花で、杞菊(こぎく)といわれ、とてもいい組み合わせです。

杞菊茶
クコの実10g、菊花2gにお湯500mlを注いでお茶代わりに飲む。

杞菊酒
クコの実30gと菊花5gに氷砂糖30gを入れホワイトリカ―300mlに約1カ月漬け込む。
※レモン1/2をスライスして一緒に漬け込むとさらに飲みやすくなります
※氷砂糖は初めに入れず飲むときにハチミツなどで調整しても可
おちょこ1杯程度をお湯割にして飲む。

私は、クコの実をお酢につけてクコ酢を作っています。普段のお酢をクコ酢に変えて活用中です。

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

漢方スクールでの担当コース・セミナーはこちら
Instagramはこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

ページトップへ