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公開日:2020.02.19 更新日:2020.05.016981view

新型コロナウイルスによる肺炎に漢方は有効か?

~巷で話題の【双黄連口服液】【清肺排毒湯】に関する情報~

新型コロナウイルスの感染が全世界に広まり不安が増しています。
たくさんの情報の中でどう判断すれば良いのか、多くの方が不安を抱えていると思います。
今回提供する情報は、通常の感染症にも使える漢方の知識です。是非参考にしてください。

中国では「双黄連口服液が有効!」と話題になった後に、「専門家への相談が必要!」と追加情報が流れるなど、混乱を招いてしまったようです。
2月に入ってからは「清肺排毒湯が有効では!」と話題になっているようです。
毎日大量の情報がアップされ、「真偽難弁(本当か嘘か判断が難しい)」になっています。

薬日本堂では、双黄連口服液、清肺排毒湯のお取り扱いはしておりません。
ここでは、この2つの薬はどういうもので、どう違うのかについて紹介します。

双黄連口服液

中国で販売されている漢方薬のシロップです。
3つの生薬で構成されています。

「双」は双花=金銀花(きんぎんか)
「黄」は黄芩(おうごん)
「連」は連翹(れんぎょう)

双黄連口服液は、「風熱証(ふうねつしょう)」に使います。
風熱とは、発熱し少し悪寒がある、のどが赤くなり痛い状態です。

清肺排毒湯

麻杏石甘湯、射干麻黄湯、小柴胡湯、五苓散の4処方の構成から加減したものになります。
以下の21種類の生薬で構成された煎じ薬(煮出して飲む薬)です。

麻黄(まおう)9g、炙甘草(しゃかんぞう)6g、杏仁(きょうにん)9g、生石膏(しょうせっこう)15~30g(先煎)、桂枝(けいし)9g、沢瀉(たくしゃ)9g、猪苓(ちょれい)9g、白朮(びゃくじゅつ)9g、茯苓(ぶくりょう)15g、柴胡(さいこ)16g、黄芩(おうごん)6g、姜半夏(はんげ)9g、生姜(9g、紫菀(しおん)9g、冬花(とうか)9g、射干(やかん)9g、細辛(さいしん)6g、山薬(さんやく)12g、枳実(きじつ)6g、陳皮(ちんぴ)6g、藿香(かっこう)9g。

清肺排毒湯の効能効果は、解表、清熱、化痰、止咳、健脾益気。
高熱、悪寒、激しい咳、息苦しい、のどが赤くなり痛い状態に使い、さらに食欲不振、体力の低下に対する生薬も配合されています。

この2処方は構成が違うので、症状や時期によって使い分けする必要があります。これを「弁証(べんしょう)」といいます。
さらに中国では、症状と身体の状態しだいで処方の中身を調整し、体質、年齢、時期によって構成生薬の組み合わせや分量も変えて対応します。ちなみに、日本では処方の構成変更は認められていません。

今回の新型コロナウイルスによる肺炎は誰も経験したことがありませんから、何が効くのか、わかっていないのが現状です。薬日本堂では、漢方相談を通じ自覚症状と体質から漢方薬と養生のアドバイスをさせていただいております。

最後になりますが、最も大切なのは予防です!
マスク、手洗いを徹底的に行うのも必要ですが、大事なのは睡眠と食事、生活のリズムです。
さらに大切なのは不安の気持ちを取り除くこと。
知識を得ても、行動に移さないと何の役にも立ちません。
多くの情報に振り回されることなく、日常の養生対策をしっかり身につけて実践すれば、怖いものなしですね。

いつでもお気軽に、お近くの薬日本堂ニホンドウ漢方ブティックカガエ カンポウ ブティックにお問い合わせ、ご来店ください。

リュウ・メイ
劉 梅 – Mei Ryu[中医師]

中国黒龍江省生まれ、黒龍江中医薬大学卒業後、ハルビン医科大学付属二院に内科医として臨床を経験。1994年に来日、北海道大学医学部客員研究員を経て、2001年、薬日本堂に入社。主な著書『中国の女医さんが教えるおいしくて身体にいい中華』『病気・症状を改善 これならできる漢方ごはん』。

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