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公開日:2019.11.10 更新日:2020.05.156123view

質の良い眠りを求め「百合根と山芋のグラタン」

未病を癒す美養生 Vol.4

秋冬の美養生は乾燥対策から

みなさんこんにちは! 早いもので、今年も11月。二十時節気の「立冬」を迎え、暦のうえでは冬に入りました。若さを蓄える五臓の「腎」に関わる冬。体は、美と健康にとってたくさんの課題を抱えています。朝晩が少し肌寒くなってきた今の時季は、冬本番に向けての養生が非常に大切になるといえるでしょう。

このコーナーのテーマである「美養生」での課題は、なんといっても肌の乾燥やカサつき。特に寒さが増してくると、冷えによって末梢血管の循環が悪くなり、指先がぱっくり割れるほどひどい肌荒れに悩む人が増えてきます。特に更年期世代の方は要注意。女性ホルモン低下の影響で、若い頃より確実に潤いが不足します。すると、乾燥だけでなく、体の熱を冷ます力も低下し、ほてりやのぼせ、それによる不眠など、さまざまな症状が起こってくるかもしれません。何とかしたいですね。

潤い不足を補うためには、水分をたくさんとればいいのか……。実はそうではありません。寒い冬の乾燥の原因は、体に本来備わっているべき「潤す力」「熱を冷ます力」が足りなくなってしまうから。必要なのは、単純に水分を補うことではなく、この「力」をつけてあげることなのです。

肺と心を潤し、心を安らかにする「百合根」

そこで取り入れたいのが、漢方医学にもつながる薬膳の知恵。この時期にぜひおすすめしたいのが、「百合根(ゆりね)」です。百合根は、漢方では「百合(びゃくごう)」と呼ばれ、お薬の材料にもなる素材。五臓の「肺」と「心」に作用するとされており、特に不眠や精神不安によいとされています。

百合根が出回るのは、ちょうどこれからの時季。肺を潤し、こもった熱を取り除いてくれるので、のどの炎症の予防にもつながるでしょう。
真っ白な百合根は茶わん蒸しに入れたり、バターをのせてホイル焼きにしても美味しいです。乾燥させた「百合」は、空咳、不眠などの薬の中にも古くから使われていいます。

日本の家庭料理にはあまり登場しない食材「百合根」。今回は、こんなおしゃれなカフェ風のお料理にしてみました。「百合根と山芋のグラタン」です。

ポイントは、ホワイトソースのとろみづけに、小麦粉ではなく山芋を使うこと。
「山薬(さんやく)」と呼ばれる山芋は、エネルギーの「気」と「潤い」の両方を補う食材。
さらに、若さを蓄える「腎」に作用する食材で、年齢による潤い不足対策の大きな助けになり、百合根と併せてこの季節におすすめの食材です。

百合根と山芋のグラタン

《材料》(2人分)
・百合根…1個
・玉ねぎ…1/4個
・マッシュルーム(白)…2個
・ベーコン(薄切り)…50g
・山芋…30~50g
・牛乳…200㏄
・塩…少々
・とろけるチーズ…適量

《作り方》
①百合根は1枚1枚バラバラにし、沸騰した湯で2分程度ゆでる。玉ねぎ、ベーコン、マッシュルームは薄切りにする。
②フライパンにベーコンを入れて火にかけ、油が出るまで炒める。玉ねぎ、マッシュルームを加えてしんなりするまで炒めたら、牛乳を注ぎ入れる。
③②が温まったら、皮をむき、すりおろした山芋を加え、とろみがつくまで加熱する。
④百合根を加えてひと混ぜし、塩で味を調えたら、グラタン皿に入れ、チーズをのせ、オーブントースターで色づくまで焼く。

作り方は意外と簡単!
和食のイメージの百合根が、洋風メニューになるのも楽しいのではないでしょうか。
また、牛乳に山芋をすりおろすだけでトロトロのホワイトソースになりますから、小麦粉のようにダマにならず扱いやすいのも魅力。
ぜひ、お試しください。

岡尾 知子
岡尾 知子 - Tomoko Okao

漢方養生指導士(漢方上級スタイリスト)、国際中医師、国際薬膳師、鍼灸師。美容・健康をテーマに美容・健康エディターとして仕事をする中で東洋医学に関心をもち、漢方、中医学、薬膳を学ぶ。雑誌やラジオ、イベントなどを通じて、美容と健康のための薬膳や養生についての啓発活動を行う。はり師・きゅう師の国家試験に合格し、鍼灸師として東京の「池袋ひりゅう鍼灸院」で臨床にあたっている。詳しい情報は「LOTUS(ロータス)薬膳教室」「薬膳ノート」で検索を!

◎薬膳教室:「TUMUGU東京青山」http://www.tumugu-aoyama.jp/

◎HP:「薬膳ノート」http://www.yakuzennote.com

◎ブログ「Eat & Run! 岡尾 知子の美・薬膳な日々」http://ameblo.jp/yakuzen-navi/

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