- 鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中
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あなたの‟肩コリ”は何タイプ?
プチ不調は自分でカイゼン Vol.5
漢方で考える肩こりの4タイプ
ひとことで肩こりと言っても、いろいろなタイプがあります。慢性的な肩こりで頭痛や吐き気を伴う方もいれば、こっている自覚がないのに触るとかたい方など・・・様々です。
肩こりのタイプを、大きく4つに分けて考えてみましょう。
タイプ1:後頭部から首、肩にかけてかたく張って、頭痛を伴う肩こりはストレスが原因。漢方では、気が停滞するためと考えます。同じ姿勢でいることが多い、パソコンをよく使う、怒りっぽくため息が出やすい、イライラや緊張で悪化するなどの特徴があります。
漢方薬は、加味逍遙散や大柴胡湯をなどが使われます。
タイプ2:肩を触るとかたくしこりになっていて強い肩こりを感じるのは血行不良が原因。漢方では、血が停滞するためと考えます。姿勢が悪い、シミあざができやすい、冷えのぼせがある、転倒や事故など外傷がきっかけで悪化したなどの特徴があります。
漢方薬は、桂枝茯苓丸や当帰芍薬散などが使われます。
タイプ3:肩が重だるく、肩こりの自覚はあるのに触ると比較的柔らかいのはむくみが原因。漢方では、水が停滞するためと考えます。めまいや立ちくらみ、胃腸が弱く下痢をしやすい、雨の日に悪化するなどの特徴があります。四十肩や五十肩はこのタイプの方が多いようです。
漢方薬は、二朮湯や桂枝茯苓丸加ヨクイニンなどが使われます。
タイプ4:肩がガチガチにかたいのに肩がこっている自覚がないのは栄養不足が原因。漢方では、血が不足したためと考えます。顔色が悪い、こむら返りが起きやすい、過労や貧血などの特徴があります。また、目の使い過ぎは血が不足する大きな要因です。
漢方薬は、当帰芍薬散や十全大補湯などが使われます。
※ここで紹介した漢方薬は、あくまでも代表的なものなので参考してください。
実際利用する場合は、専門の方に相談してくださいね。
肩こりの簡単養生法
4つのタイプに分けてみましたが、多くの方は複数のタイプが混合してます。
身体を構成している、気血水が停滞することは肩こりが悪化する要因になるので、巡り対策が必要ですね。どのタイプにもおススメの養生法を紹介しましょう。
●冷やさない!
お風呂に入ると肩が楽になる方は、徹底した温め対策をおススメします。
冷やすことで巡りが良くなることはありません。冷房が強い環境で仕事や生活をしている方は、上着の工夫をするなど冷やさない対策を万全に整えましょう。
肩周りを温めると、カゼを引きにくくなるプラスもありますよ。
●肩回し
気血水の停滞は、肩だけでなく身体全体を硬くします。適度な運動やストレッチは巡りを良くしますので、仕事の合間やお風呂上りに、身体を動かすことと伸ばすことを意識して行いましょう。
水泳のバタフライの動きのように両腕を前回りで10回、逆回りで10回ずつ回してみましょう。大変ですが、肩の血行は良くなりますよ。
黒豆で肩こり対策
どの肩こりタイプにもおススメの素材として「黒豆」を紹介しましょう。
黒豆で肩こり対策
おせち料理に欠かせない黒豆は、縁起物として使われてきました。
◎健康祈願:昔の農家さんが外で一生懸命働いて日焼けで黒くなるまで「まめ」によく働く。一年間健康でいられますように・働けますようにという願いを表しています。
◎「厄除け」の意味:黒色は邪気を祓う色、魔除けの色とされ、厄除けの意味があります。
◎長寿祈願:ふっくらハリのある豆に煮上げることから、シワが寄らないよう長生きできるように、という意味も込められています。
漢方で黒豆は、血行を促進し水分代謝を高める(活血利水)、血を補い潤いをつくる(滋陰補血)、解毒などの働きがあります。
最近では、黒豆茶や炒り黒豆など簡単に手に入るようになりました。
料理やお茶以外にも薬酒にしてみるなど、毎日の生活に気軽に取り入れてみてはいかがですか。
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