- 市川 三弓 - Miyumi Ichikawa
漢方スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、ハーバルセラピスト、フードコーディネーター。一児の母。自身の体調不良をきっかけに漢方・薬膳を学ぶ。肉親の病も薬膳でサポートし克服。飲食店舗での薬膳イベント開催や薬日本堂でのセミナー講師を経て、現在は子供向けの薬膳を日々研鑽中。
◎レシピ協力
『薬日本堂の漢方で体をととのえる穀菜食』(主婦の友社)
『はじめての漢方ライフ 薬膳レシピ&食材べんり帳』(主婦の友社)
◎子供のご飯記録:https://www.instagram.com/ikumeshi2017
疲労回復に自然な甘み「かぼちゃと里芋の二色茶巾」
子供の薬膳〜乳幼児編 Vol.7
寒い冬を乗り切る漢方・養生の智慧
一年のうちでもっとも夜が長く、昼が短い冬至が過ぎ、いよいよ年越しももうすぐですね。
冬至を過ぎると日中の日が差す時間が延び始めることから、古くは冬至を境に新しい年が始まるとも考えられていたそうです。
暦では立冬(11/7頃)から大寒(1/20頃)までが冬にあたりますが、冬にもこの時期ならではの養生方法があります。
実は、健康の基本とされている「早寝早起き」は冬には向いておらず、早寝はしても、起きるのは朝日が昇るのを待ってから起きるのがよいとされています。
特に冬の明け方5時頃はまだ暗く、寒さも厳しいので身体にはこたえる時間なのです。
仕事や家事などで難しい方も多いかもしれませんが、可能であれば日の出6:40頃以降の起床が望ましい期間です。
また、秋の養生方法でも心を安らかに保ち、意思を外に向かって出しすぎないように心がけて頂きましたが、冬も引き続き、外に向けた言動は控えめにして、陽気の発散を抑えておくことが養生になります。
草花も冬の間は土の中で芽吹きを待っているのと同様に、人も穏やかに過ごすことが大切なのです。
加えて、寒さを避けて暖かくし、肌を出したり汗をかきすぎて、陽気を発散させないように心がけます。とくに首と名の付く、首、くびれ(腰)、足首を温めると冷え対策になります。
寒い冬を上手に乗り切り、次の季節の春を健やかに迎えましょう。
滋養と温めの食材で疲労回復
冬至には、かぼちゃを食べたり、ゆず湯に入る風習があります。
「冬至にかぼちゃを食べるとカゼをひかない」と伝えられています。
かぼちゃは身体を温めて気を補い、ゆずは気を巡らせる働きがあります。
ゆず湯は冷えなどで弱くなっている身体の巡りをサポートしてくれます。
ゆずがぷかぷか浮いているお風呂はそれだけでお子様のテンションも上がりますね。
かぼちゃは野菜のなかでも甘味の強い食材なので、小さいお子様も好んで食べてくれる食材のひとつではないでしょうか。
我が家では離乳食期に、かぼちゃやさつまいもなどを潰して茶巾包みにしていました。
簡単な上、見た目もかわいいので、楽しみながら作れます。かぼちゃだけではなく、里芋などと一緒に二色茶巾にすると、さらにかわいくなります。
今回は、ころんとした見た目が子供向けのおせちの一品としても使える二色茶巾をご紹介します。
かぼちゃと里芋は、冬の寒さで縮こまり、消化も衰えた身体を労わり滋養してくれる組み合わせです。
茶巾包みとしては蒸して潰すだけのシンプルなものなので、幼児以降はもう少しアレンジをしたほうが食べやすいので工夫してみましょう。
「かぼちゃと里芋の二色茶巾」
【材料】(茶巾約9個分)
かぼちゃ:約1/8個(里芋と同量目安)
里芋:3個
塩:少々
【作り方】
①かぼちゃと里芋を蒸し器で20分ほど蒸します。
(乱切りにしておくと時間短縮になります。)
②各々取り出し、スプーンかフォークの背で潰します。
その際、かぼちゃは皮を外して潰しましょう。里芋は潰したら塩少々を入れて混ぜます。
(雪塩のようなパウダータイプの塩だとまんべんなく混ざりやすいです。)
③サランラップを広げ、ティースプーン1ずつかぼちゃと里芋をとり、ラップを絞ったら完成です。
【食材メモ】
かぼちゃ:身体を温め、気を補い、体力をつけ、慢性疲労をやわらげます。
里芋:滋養強壮の働きがあり、慢性疲労を和らげます。消化を助けるので食欲の落ちている時にもおすすめです。
アレンジレシピとしては、蒸したかぼちゃや里芋でポテトサラダや一口コロッケにしたり、乳幼児向けとしては、ミルクやブイヨンなどとスープにしても美味しいです。
スープの場合は、かぼちゃと里芋の分量が同量だと里芋の風味が少し勝ってしまい、クセを感じる子がいるかもしれません。
子供向けには少しかぼちゃの分量が多めだと食べやすくなります。
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