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公開日:2018.11.01 更新日:2020.05.1926843view

五行配当表とは~自然界と身体の観察データ

ようこそ!はじめての漢方 Vol.7

五行の特性とイメージ

先人たちは五行である木火土金水に、以下のようなイメージを持ったと考えてみましょう。
五行については、Vol6(漢方の基本“五行”とは)を参照ください。

木 : 枝を上へ外側へ、のびのび生長発展している
火 : 上に向かって、熱く燃え上がっている
土 : すべてを受け入れ、豊かに育てていく
金 : 固く強く、音を発し清潔
水 : 下に向かって潤し、冷たい

五行の活用法

木・火・土・金・水の特性とイメージを、人間の身体や自然界に幅広く関連付けて表にしたものが、
五行配当表(または、五行色体表ごぎょうしきたいひょう)です。
先人たちが、自然界や人間の身体を長い期間をかけて観察し続けてきた結果出来上がった、とても貴重な実証データですね。

五行
五臓
感覚器
現れる場所皮毛
(皮膚・うぶげ)
感情悲・憂恐・驚
季節土用
(季節の変わり目)
気候湿
方向中央西

では、五行配当表の【木】を縦に見ていきましょう。

五臓は、【肝】になっています。
肝は自然界の木のように、のびのび外に向かって気持ちが発散し、大地にしっかり根を下ろし枝の先まで養分が行き届いているイメージを持ってみましょう。

この肝が乱れるとどうなるでしょうか?

気持ちが発散できないので、のどや胸がつまった感じになり、イライラしてりっぽくなりますね。
癇(かん)にさわる、癇癪(かんしゃく)持ちになる、などの表現がありますがこの癇→肝のイメージが近いですね。
また、養分が隅々まで行き届かなくなるので、白い血色の良くない顔色になり、栄養が行き届かないので、身体の末端であるに症状があらわれるようになります。
爪が割れやすい、目の疲れや視力低下などは肝の不調と考えることができます。

さらに、季節ではから吹くの影響により、肝が乱れやすいと考えます。
春に、自律神経を乱す人が多いのもわかりますね。
毎年、春に体調を崩す人、また春は1日に置き換えると朝になるので朝に調子が悪い人は、肝を整えると良いということになります。


春の不調やイライラ怒りっぽい、目の不調、爪のトラブルなど、一見全く関係のないの自覚症状が、漢方の考えでは肝という1つのグループに属すると考えます。

このような視点で、五行配当表の他の縦ラインもイメージを膨らましながら見てみると楽しくなりますね。漢方ライフの自分を知る五臓チェックもより楽しめると思います。

五臓チェックのページへ

食べ物には帰経がある

帰経とは、食べ物がどの五臓に優先して作用するかを示すことです。
五臓の特徴や働きを知り、どのような不調が起こりやすいかを理解することで、不調にあった食べ物を選ぶことができます。

肝に帰経する食べ物は、セロリ、トマト、ホウレンソウ、椎茸、ミントなどいろいろありますが、
クコの実と菊花は肝に帰経する代表の素材です。
クコの実は肝の働きを助け目の疲れや視力低下におすすめで、菊花は肝の熱を取るのでイライラや目の充血におすすめです。
2つを合わせた、杞菊(こぎく)茶と杞菊酒を紹介しましょう。

杞菊茶
クコの実10g、菊花2gにお湯500mlを注いでお茶代わりに飲む

杞菊酒
クコの実30gと菊花5gに氷砂糖30gを入れホワイトリカ―300mlに約1カ月漬け込む。
(レモン1/2をスライスして一緒に漬け込むとさらに飲みやすくなります)
お湯割りにしておちょこ1杯程度を飲む。

身体からのサインを漢方的にとらえ、今必要な養生を実践できるようになると楽しいですね。

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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