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公開日:2021.05.05 更新日:2021.05.051734view

芽吹く力で水をめぐる「たけのこと海苔のおすまし」

季節を感じて気軽に薬膳 vol.3

多くの生き物が力を得る「立夏」
二十四節気の立夏、ここから夏が始まるとされています。
七十二候では、この時期にカエルの鳴き声が大きくなりはじめ、土の中からミミズやたけのこなど、様々な生き物が地上に出てくるようなタイミングだとうたっています。

夏は陽のエネルギーが旺盛になり、生き物の活動が活発になります。
昼の時間がのびているのを感じますが、立夏の頃はまだ初夏で、気温は上がっても爽やかです。
コロナ禍ではありますが、時々外に出て、日差しを浴びて深呼吸する時間を設けましょう。

たけのこが持つ芽吹きの力と水めぐり
この時期は、太陽の力を一身に受けて芽吹く、アスパラガスやたけのこなど旬の食材を積極的に摂りましょう。

これらに共通するのは、脾(ひ)を養う、甘味があって元気を補う、水めぐりを良くすることです。
脾は消化吸収を担うので、元気にすることで余分な水たまりを解消してくれます。

今回はたけのこを主体にして2つのレシピを紹介します。
ひとつは、さばと合わせて元気を補うご飯、もうひとつは、海苔と合わせて、水めぐりをよくするおすましです。
たけのこは掘りたてがエネルギーも充実していますが、気軽に作るなら水煮を使うとよいでしょう。

たけのこのご飯とおすまし
たけのこは、土を割って芽吹く力と、その後にぐんぐんと伸びる生長の力が備わっています。
伸びる力のあるものは、大地から水を吸って先まで運ぶはたらきがあると考えます。

体内でも余分な水たまりを解消するため、むくみや痰の解消によいと言われています。
来る梅雨のジメジメした天気に負けないためにも、今から水をめぐらせておきましょう。

たけのこと海苔のおすまし(4人分)
【材料】
たけのこ水煮半身 穂先の部分
海苔 1枚
針生姜 1枚分
本だし 小さじ1
しょう油 大さじ1
水 800cc

【作り方】
①鍋に水と、縦にスライスしたたけのこの穂先を入れて煮立てる。
②調味料と針生姜を加え、最後に海苔をちぎって散らす。

たけのことさばのご飯(2合分)
【材料】
米 2合
さばの缶詰 1缶
たけのこ水煮半身 穂先を使った残り
塩 小さじ半分
しょう油 大さじ1

【作り方】
①米をとぎ、水に浸ける。
②たけのこは食べやすい大きさに細切りする。
③①に②と適当にほぐした缶詰のさばをのせ、調味料を加えて炊く。
※我が家では黒米を入れるのが必須のため、写真では紫色のご飯になっています…

【薬膳食材メモ】
たけのこ:水をめぐらせ、むくみや痰を解消する
海苔:水をめぐらせ、しこりなどの塊を解消する
さば:お腹を温めて元気を補う



齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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