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公開日:2019.10.01 更新日:2023.12.068363view

陽から陰の季節への対処法~秋バテ対策~

プチ不調は自分でカイゼン Vol.6

漢方的に秋バテを考える

いくら寝ても疲れが取れない、のどがイガイガして咳が止まらない、なんとなく熟睡できない、1日中眠い等々、この時期に体調を崩している方は秋バテかもしれません。
夏の暑さで消耗した身体が、気候の変化や朝晩の寒暖差についていけない状態と考えられますので、夏バテがこの時期に症状となって出ているとも考えられますね。

黄帝内経(こうていだいけい)の素問(そもん)という書物に、「秋は草木を枯らす空気から心身を守るようにして、気を徐々に収めて心を安らかに保つことが大切です」と記されています。

現代では、紅葉を楽しむ季節として好まれていますが、当時の人から見れば、草木の葉を緑から茶に殺してしまう空気から身を守ることが大切と考えられていたのですね。
草木を枯らす空気とは、乾燥=燥邪のことです。
燥邪は、五臓の肺に影響が及ぶので、のど・声・咳・皮膚などに症状があらわれます。肺の潤い対策が必要になりますね。

秋バテの簡単養生法

① 旬の元気素材でパワーチャージ
消耗した身体のままでいればいるほど症状は長引きます。

秋が旬の元気素材である、サツマイモ、山芋、里芋、ブドウ、リンゴ、カツオ、鮭、サバ、サンマなどを意識して取りましょう。胃腸に負担をかけないよう、30回を目安によく噛んで食べると良いです。お粥もおススメです。

② 酸甘化陰(さんかんかいん)で潤い対策
酸味と甘みの組み合わせは身体を潤すと考えます。はちみつレモンや梅ジュースなどですね。
私が実践している酸甘化陰ドリンクを紹介します。

◎はちみつレモンリンゴ酢
【材料】国産レモン1個(輪切りにしたものを6等分にする)
    リンゴ酢 300ml
    はちみつ 50g(目安です。お好みで調整してください)

材料を保存用の瓶に入れ一晩漬けたら出来上がりです。
これを毎朝、おちょこ1杯(15~20ml)を目安に飲んでいます。

ナツメで気血を補い秋バテ対策

気軽に取り入れやすい薬膳素材としてもナツメは有名ですね。大棗(たいそう)という生薬名で多くの漢方薬にも使われています。

ナツメの働きとしては、
補中益気(ほちゅうえっき)・・・気の不足による倦怠感、食欲不振、軟便などに
養血安神(ようけつあんじん)・・・血の不足による精神不安定、不眠などに

気血を補い、精神安定に働くまさにスーパーフードです。この時期はもちろん、通年でも利用できますね。最近では、フリーズドライされてスナックのようにそのまま食べられるものも販売されています。

ここでは、私が大好きなナツメ酒を紹介します。

◎ナツメ酒
【材料】ナツメ80g(1個に対して5,6か所爪楊枝で穴をあけておきます)
    レモン1個(皮をとり果肉を輪切りにします)
    ホワイトリカー720ml
    氷砂糖50g

保存用の瓶は、あらかじめ煮沸消毒しておきます。
材料を保存用の瓶に入れ、1か月ぐらいで出来上がります。1回20ml~30mlをお湯で割って飲みます。お酒が苦手な方は、料理酒の代わりに使っても良いですね。

是非お試しください。

動画でも!「夏バテから秋バテへ~季節の変わり目対応法」

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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