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公開日:2024.10.01 更新日:2024.11.071390view

寒暖差による膀胱炎に要注意!

プチ不調は自分でカイゼン Vol.66

原因は、かくれ脱水!?
暑さが少し緩み、朝晩と昼の気温差がはっきりしてくる時期に多くなるお悩みに、膀胱炎があります。なぜ、この時期に増えるのでしょう?
考えられる原因は、以下になります。

●かくれ脱水
かくれ脱水とは、脱水症になりかけているにもかかわらず本人や周囲がそれに気付かない状態の事です。以下のような症状があればかくれ脱水の可能性があります。

□ 手の甲をつまんで離したとき、皮膚がすぐに元の状態に戻らない
□ 手足が冷たくなっている
□ 口内が乾燥している
□ 尿の色が濃い
□ 排尿の回数がいつもより減っている
□ 感染症(カゼ、ウイルス性)による発熱、下痢、嘔吐などを経験した予後

夏の疲れによる抵抗力や免疫力の低下も加え、かくれ脱水が起きていることから尿量が減少すると、細菌を排尿と同時に体外へ排出できず、膀胱内で繁殖してしまうために、膀胱炎を発症するリスクが高まります。

漢方的には、外感湿熱邪(がいかんしつねつじゃ)が尿道を通じて侵入するためと考えます。

膀胱炎で使う代表的な漢方薬を紹介しましょう。

【猪苓湯(ちょれいとう)】
効能効果:体力に関わらず使用でき、排尿異常があり、ときに口が渇くものの次の諸症:
排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、むくみ

【五淋散(ごりんさん)】
効能効果:体力中等度のものの次の諸症:
頻尿、排尿痛、残尿感、尿のにごり

【清心蓮子飲(せいしんれんしいん)】
効能効果:体力中等度以下で、胃腸が弱く、全身倦怠感があり、口や舌が乾き、尿が出しぶるものの次の諸症:残尿感、頻尿、排尿痛、尿のにごり、排尿困難、こしけ(おりもの)

※ここで紹介した漢方薬は、あくまでも代表的なものなので参考してください。実際利用する場合はきちんと相談してくださいね。

寒暖差膀胱炎の対処法

●トイレ(尿)に行く回数を意識する
水分をしっかりとりましょう。
その目安はトイレに行く回数です。通常1日に何回トイレに行くのかを意識してください。
水分が少ないとトイレの回数は少なくなるので、通常と同じ回数をキープするように水分をとりましょう。今までは暑さ対策、これからは乾燥対策ですね。

●疲れを溜め込まない
夏バテから秋バテに移行している方が多いと思います。
「気」を消耗すると防御反応が低下すると漢方では考えます。

・無理な予定は入れない
・寝ることを優先
・入浴の時間を大切に
・旬のものをいただく

身体をいたわる意識からはじめましょう。

じゅうやく(ドクダミ茶)で膀胱炎対策

ドラックストアに「じゅうやく」として販売されているのが、ドクダミ茶です。
じゅうやく(十薬)とは、ドクダミの医薬品名になります。

中国語では‟魚腥草(ぎょせいそう)“、英語では‟fish mint”など、魚にちなんだ名前がついているように、強い臭気があるのが特徴です。
根を伸ばしてどんどん増えるので、やっかいな雑草としても知られていますが、害虫を寄せ付けない対策として活用する場合もあるようです。
どくだみの臭いは乾燥すると変化するため、お茶は飲みやすく健康茶として人気があります。

どくだみの働きは、
●清熱解毒(せいねつげどく)
●排膿、利尿(はいのう、りにょう)

便が臭い方、ニキビや吹き出物が気になり便秘がちな方、膀胱炎や蓄膿の方などにおススメです。熱がこもっているタイプの方によりおススメのお茶ですね。

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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