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公開日:2024.04.14 更新日:2024.08.011258view

春から初夏の肌トラブル解消!吹き出物、紫外線対策

漢方であなたを応援vol.25「春~初夏の肌養生」

ダメージを受けやすい春から初夏の素肌
4月も後半になるとお花見の気分は薄れますが、まもなく迎えるゴールデンウィークに向けた準備で浮足立ってきます。
この時期は肌の状態が不安定で、化粧水を替えてみる、塗り薬を使う、皮膚科に通うなど、対策に苦慮している方もいるのではないでしょうか。

中国の古典『黄帝内経(こうていだいけい)』には「春は発陳(はっちん)、冬に潜んでいた古い気が外に発散される」という内容があります。冬にためていたものが外に押し出されると、頬や髪の生え際にニキビや吹き出物が現れます。
他にも花粉や黄砂、これから増える紫外線が春から初夏にかけての肌に大きなダメージを与えます。汚れも紫外線も、肌に炎症をもたらす原因です。

肌は外面と内面、両側からケア
肌は「内臓を映す鏡」と考えられます。肌あれ対策として、外面と内面、両面からのケアを意識しましょう。

まずは外面から…

■洗顔を重視
メイクや素肌の上に吸着したほこりや花粉を、しっかり洗い流しましょう。
オイルやミルクタイプのクレンジングで表面の汚れを落としてから、しっかり泡立てた石鹸、洗顔フォームでやさしくマッサージして毛穴までキレイにします。

■素早く水分補給
汚れを洗い流したら、素早く水分補給。乾いたままの素肌は防御機能が低下しがち。刺激の少ない化粧水や、ハトムギ、甘草、オウバク、ドクダミなど炎症を鎮める生薬が配合された化粧水で潤しましょう。

次に内面…生活リズムと食事が大きく影響します。

■排便で排毒リズムを整える
便秘しているとニキビや吹き出物が多く現れます。腸内環境を整える食物繊維や発酵食品、適度な水分をとることを忘れずに。

■質の良い睡眠で回復力を高める
活動が少ない睡眠中は、日中に頑張った肌の修復がなされます。早めに入浴して、日付が変わる前に布団に入りましょう。

■冷やす食材で炎症を鎮める
赤い吹き出物や紫外線による炎症は、熱をさます食材でケアしましょう。
きゅうり、大根、ズッキーニ、もやし、緑豆、はとむぎ、ごぼう、小松菜、豆腐など

■潤いを補う食材でバリア強化
酸味と甘味を合わせると潤いに変化します。白色食材も肌を潤すのに有効です。
レモンとハチミツ、柑橘類、梅干しとご飯、白きくらげ、白ごま、白菜、豆乳

春から初夏の植物が肌を内側から癒す
急性の湿疹や吹き出物、ニキビなども漢方薬の内服で改善することができます。
漢方薬はさまざまな生薬が組み合わされています。春から初夏の植物も肌トラブル解消によく利用されるので、いくつか紹介しましょう。

連翹(れんぎょう):3~4月に黄色い小花を咲かせる庭木の果実
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)や清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)などに配合
どちらも赤く腫れたニキビや吹き出物に用いられる

桜皮(おうひ):淡いピンクが美しい桜の樹皮
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)に配合
急性の発疹、じんましんなどに用いられる

十薬(じゅうやく):5月頃に白い十字の花を咲かせるドクダミの全草
五物解毒散(ごもつげどくさん)に配合
赤く腫れた皮膚の炎症やかゆみに用いられる

洗顔時にブツブツ、ポツポツという嫌な手触りを感じたら、ハトムギを生活に取り入れましょう。
ハトムギは薏苡仁(よくいにん)という生薬で、水を巡らせ、肌をなめらかにする働きがあります。
外面ケアには、ハトムギ入りの化粧水、ハトムギの粉に水を加えて練ったハトムギパックがおすすめです。
内面ケアには、ハトムギ入りのお茶、茹でハトムギとごぼうを合わせたサラダなどはいかがでしょう?

自然の力を活かすのが漢方養生。自分に合った方法を探してみましょう。

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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