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公開日:2023.09.25 更新日:2024.01.101920view

イライラのぼせ、フラフラめまい、どうにかしたい更年期

漢方であなたを応援vol.18「更年期」

更年期は未病のオンパレード
男女ともに40歳を過ぎた頃からみられる様々な体調不良や情緒不安定などの症状を、まとめて更年期障害と呼んでいます。特に女性は、閉経の前後約10年間に女性ホルモンが急激に減少するため、症状が一気に押し寄せる傾向があります。

私の年子の妹(当時49歳)が「私の身体、一体どうなっちゃったの?!」と泣いて電話を寄こしたことがありました。とてもきっちりとした性格の妹は、「頭痛で朝起きられない」「昼前に庭掃除をしたいのに首と手指が痛くて終わらない」「夕方ふらついて買い物に行けない」「眠りたいのに眠れない」など、生活サイクルが乱れることにストレスを抱えていたようです。

皆さんの中にも、「数年前に体験した」「今まさに悩み中」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。

あなたはどちら?更年期の傾向
女性の更年期には、月経量が減り周期が乱れて閉経に向かうだけでなく、
病気未満の様々な不調がいくつも重なってあらわれます。

【こころの不調】
訳もなく不安になる、とにかくイライラする、何もやりたくない など

【からだの不調】
急にのぼせて汗をかく、血圧が上下する、関節(肩、腰、指)が痛む、頭痛やめまいが起こる、とにかく疲れやすい など

【行動の不調】
家事が手につかない、集中できずミスが増えた、ひどい眠気に襲われる など

漢方では更年期を、陰液(いんえき)と陽気(ようき)のバランスが乱れたものととらえることが出来ます。

<陰液>
全身に栄養と潤いを送る液体。熱を冷ます役割がある。

<陽気>
活動のエネルギー。全身を温めて動かす役割がある。

加齢とともに陰液は減り、髪や肌の潤すことが出来ず乾き、余分な熱を冷ますことが出来ないのでほてります。頭部に栄養を送れないので、ふらつきや物忘れが増えます。

□めまいやふらつきが多い
□集中力が落ちて、物忘れが激しくなった
□気分が落ち込みやすく、やる気がわかない
□ひどい眠気に襲われる
□目や鼻、陰部など粘膜が乾く


陰液が減ると陽気を抑えることが出来ず高ぶるため、イライラや怒りが抑えられない、急に顔がのぼせて汗が噴き出すなどが起こります。

□頭の締めつけやのどのつかえ感が気になる
□肩こりや関節に痛みが強く出る
□イライラや焦りで憂うつになる
□寝つきが悪く嫌な夢をみる
□目の充血、のぼせがあり汗が噴き出る


不足した陰液を補い、高ぶった陽気を鎮める
陰液の不足が顕著な場合は補い、陽気の高ぶりが顕著な場合は冷まして鎮めるのが養生のポイントです。

<どちらにもよい養生>
①植物をみて気分を鎮める
緑の多い公園に出かける、部屋に花や観葉植物を飾るなど、植物の力で気分を鎮めましょう。

②無理のない運動で気分転換
仕事や家事の合間に、ストレッチや散歩などで身体を動かし気分をかえましょう。

<陰液不足によい養生>
③赤色や黒色食材で潤いを補う
クコの実やなつめ、黒ごま、黒豆、黒キクラゲなどで栄養と潤いを補いましょう。

④ナッツや白色食材も潤いを補う
松の実や落花生、ゆりね、白キクラゲ、豆乳、豆腐なども潤いを補います。

<陽気の高ぶりによい養生>
⑤ハーブや香味野菜で陽気を巡らせる
高ぶってつまった陽気は、ミントやカモミールなどのハーブ、セロリや春菊、パクチーなど、香りのよいもので巡らせましょう。

⑥冷やしたタオルで熱を冷ます
おでこや首元に冷たいものを当てると頭部の熱を冷ますことができます。冷蔵庫で冷やした化粧水を使うのもおすすめです。

ちなみに妹は陰液不足が激しかったので、紅茶に豆乳とすりごま、クコの実、ハチミツを加えたドリンクと①をすすめました。家事の予定をキツキツにしないで自分を少し甘やかしてよいのだと伝え、漢方薬を飲むことで落ち着きました。
更年期の症状は人によってばらつきが大きいので、漢方薬を用いる場合は専門家に相談しましょう。

薬日本堂では、様々な角度から更年期のサポートをしていますので、お気軽にご相談ください。

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齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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