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公開日:2023.05.25 更新日:2024.05.205042view

水めぐりだけでは足りない、むくみ対策

漢方であなたを応援 vol.14「血流改善でむくみ解消」

トイレの回数が増えればむくみは解消する?
朝起きたら顔がむくんで瞼が腫れている、日中も手指がむくんで曲げにくい、夕方になると脚がむくんで痛いなどなど…
日頃からむくみが気になっている方も多いのではないでしょうか。
むくみがひどすぎて1kg以上の体重変化があるなんてことも!薄着になる季節、ダイエットを推し進める上でもむくみ対策は重要です。

むくみは水分が余分にある状態だから、単純に汗や尿で抜けばいいと考えがちですが、
実際にはトイレの回数を増やしても、むくみがスッキリ解消!とならないこともあります。

漢方では、消化吸収を担っている五臓の脾が飲食物から水を取りこんでいると考えます。取り込まれた水は、呼吸や体表の防御を担う五臓の肺によって汗として排出され、身体の上部から下部へ運ばれます。さらに五臓の腎が不要な水を尿に変えて排出し、再吸収も担って水を巡らせています。
次の三点は、むくみ解消の基本として意識しましょう。

■水分は冷たいものは避けて少量ずつ小まめに摂り、胃腸をいたわる(脾)
■適度な運動や入浴で発汗する(肺)
■下半身が冷えないように注意し、トイレは我慢しすぎない(腎)

むくみと血流の関係
身体の6割以上を占める水分を現代医学では、細胞内を満たすもの、血液に含まれるもの(血漿やリンパ液)、細胞と細胞の間を埋めるものなどがあると考えます。
水分が細胞や血管、臓腑などを往来することで栄養を送り、老廃物を除去することができますが、逆にこの往来がうまくいかないと、むくみがあらわれます。

血行不良があるとこの往来がうまくいかず、血管内の水分や細胞同士の隙間にある水分が流れずにとどまります。これもむくみの原因のひとつです。
心不全や肝硬変などの病気でむくみがあらわれると聞いたことはありませんか?
五臓の肝は血を貯蔵し、五臓の心が全身に血を巡らせています。肝・心の不調が瘀血(おけつ)という血行不良状態を招き、むくみにつながったと考えられます。



大きな病気でなくても、血行不良によるむくみは様々な場面であらわれます。
例えば、運動不足気味の人が急に激しい運動して脚や腕がパンパンにむくんでしまうことがあります。これは筋肉が炎症を起こして腫れ、血流が悪くなったためのむくみです。
このむくみは、瘀血を除いて血流を良くすることで解消できます。漢方薬では桂枝茯苓丸などを使うことがあります。

血流改善でスッキリ!むくみ解消
血流を良くしてむくみを解消するポイントは次の通りです。気になるものから始めてみましょう。

1.小豆や黒豆で血と水を巡らせる
小豆や黒豆の煮汁は血流改善にもむくみ改善にもピッタリ!黒い食材は腎を助けて利尿効果もあるので一石二鳥。炒ったものをお茶に加える、甘味を加えてぜんざいのようにするのもおすすめです。

2.末端から中心に向けたマッサージ
血流を心臓に戻すようなイメージで、腕や脚の末端から中心に向けてマッサージしましょう。加えて、手足の指でグーパーするように握って開いてを繰り返すのもよいでしょう。

3.入浴や足湯で巡らせる
ゆっくり湯舟に浸かって水圧をかけることは血流改善に役立ちます。じんわり汗をかくことで余分な水を抜くことも出来ます。足湯は体力を消耗させづらいので、疲れた時にむくみ解消におすすめです。

薬日本堂では、様々な角度からむくみ解消のサポートをしています。
お気軽にご相談ください。


齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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