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公開日:2022.07.01 更新日:2022.07.013435view

あなたのふらつきは何タイプ?!

プチ不調は自分でカイゼン Vol.39

夏に多いのはなぜ?
夏は、身体に熱と湿がたまる季節です。
自然界では、火が燃えると、その上の空気はフラフラと揺れ、水面は少しの刺激で波打ち揺れるように、身体にたまった熱や湿は、ふらつき・めまい・立ちくらみなどを引き起こすと考えます。
ふらつきの特徴から、3つのタイプに分けてみましょう。

◎イライラふらつきタイプ(肝火)
夏の暑さの影響を受けている時や、ストレスが多くて怒りっぽい人に良く見られます。
キーンという耳鳴りや頭痛、血圧が高い、夢を多く見るなどの症状を伴います。

◎フラフラふらつき(気血両虚)
もともと体力がなく、疲れやすく顔色が青白い人に良く見られます。
寝不足や貧血、食欲がなく息切れがしやすいなどの症状を伴います。

◎ムカムカふらつき(痰濁)
夏の湿気の影響を受けている時や、消化が悪くクヨクヨ悩みやすい人に良く見られます。
いつも眠く、体は重だるい、吐き気がありやる気が起きないなどの症状を伴います。

複数のタイプが混合しているタイプもありますね。
ふらつき・めまいで使う代表的な漢方薬を紹介しましょう。

【苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう】
効能効果: 体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸があるものの次の諸症:立ちくらみ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ、神経症、神経過敏

【半夏白朮天麻等(はんげびゃくじゅつてんまとう】
効能効果: 体力中等度以下で、胃腸が弱く下肢が冷えるものの次の諸症:頭痛、頭重、立ちくらみ、めまい、蓄膿症(副鼻腔炎)

※上記の漢方薬は一例です。専門の相談薬局で体質にあった漢方薬をご利用ください。


ふらつき対策!養生法
基本は、生活リズムを正すことです。
疲れがたまった時は早めに休み、朝は決まった時間に起きて、飲み過ぎ食べ過ぎに注意しましょう。

◎イライラふらつきにスワイショウ(腕ふり健康法)
リラックスする運動法です。
腕をふることで上半身と下半身のバランスを調えます。
一日の終わりに4~5分行うことで上半身の高ぶりとつまりを和らげることができますよ。
詳しいやり方は、以下の動画を参考にしてください。
身体リセット健康法 スワイショウ腕振り健康法


◎フラフラふらつきに黄赤食材
気血を補い、体の土台作りをしていきましょう。
かぼちゃ、とうもろこし、はちみつ、玄米、大豆などの黄色食材
にんじん、クコの実、赤身の肉、まぐろやカツオなどの赤色食材
を意識して摂りましょう。よく噛んで食べてくださいね。

◎ムカムカめまいに‟すね“さすり
膝から足の外くるぶしにかけてのすねの外側を、棒やペンなどでさすってください。
ちょっと痛みを感じるところは念入りに、痛きもちいい感じでさすってみましょう。
足三里(あしさんり)や豊隆(ほうりゅう)など、消化をたすけ水巡りによいツボがあります。

ハブ茶でイライラふらつき対策を!
エビスグサの種子で、医薬品名は決明子(けつめいし)といいます。
決明子の効能効果は、整腸(便通を整える)、便秘、腹部膨満感

焙じハブ茶は、食品扱いのお茶になります。
とっても香ばしく飲みやすいお茶ですよ。

古くから、便秘や肩こりの緩和、眼精疲労などに良いとされています。

ハブ茶の主成分であるアントラキノン誘導体は、目の疲れの改善や便秘の解消、更年期や高血圧改善に働きかける効果があります。
また、ビタミンAが豊富に含まれています。目の健康、皮膚や粘膜を正常に保つためには欠かせない栄養成分です。
ノンカフェインで副作用の心配もありません。

上半身の詰まりを取り、便として下から出すイメージですね。

ティーポット(300~500ml)に大さじ1/2(5g)のハブ茶を入れます。
お湯を入れて5分蒸らせば出来上がりです。
濃さはお好みで、お湯を足して2杯目も楽しんでください。

夏のふらつき対策に、是非お試しくださいね。

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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