- 鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中
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疲れとだるさの違い!?
プチ不調は自分でカイゼン Vol.38
日本人に多い、だる重―!
“疲れた“と“だるい“?
意識して使い分けている人は少ないと思いますが、エネルギー不足タイプの方は“疲れた”といい、消化の働きが悪いむくみタイプの方は“だるい”という傾向があります。
他にも、梅雨バテ、夏バテ、秋バテ、肉体疲労、精神疲労、眼精疲労、脳疲労、副腎疲労、・・・等々。
○○バテや○○疲労は、年中使われていますね。
日本人に多いのは、消化が悪くだるくて体が重い、「だる重タイプ」ではないでしょうか?
日本は島国で、梅雨から残暑にかけて、とても湿度が高いのも原因と考えられます。
だる重タイプの方は、湿度の影響を受けやすいので、雨の日や梅雨時期のジメジメした環境では、調子が悪くなりやすいのが特徴です。
他にもこんな症状が・・・。
チェックしてみましょう!
□ 起きた時、枕の跡がついている
□ 筋肉に締まりがない、体がブヨブヨした感じ
□ 便がべとつく
□ 食欲不振、胃が重い
□ 腸がゴロゴロする
□ 乗り物酔いしやすい
□ グルグルめまいや吐き気がある
□ 水っぽい鼻水が出やすい
□ 手足に頑固なしびれや重苦しい痛みがある
□ 舌に厚みが合って、両脇に歯の痕がついている
このような症状があるときは、だる重傾向のサインと思ってくださいね。
ジメジメだるさ対策!養生法
漢方では、五臓の脾(ひ)が湿気の影響を受けると考えます。
脾はエネルギーをつくり出す働きがあるので、脾をケアすることが、湿気に強くエネルギーを作りやすい体質づくりになると考えます。
以下のような生活を心がけてみましょう!
◎寝室の湿気対策を!
布団の湿気対策をしましょう!
こまめに布団を干します。
雨が続く日は、布団乾燥機を有効活用してください。
◎食べることより寝ることを優先!
睡眠時間を多めにとり、体のメンテナンスをしましょう。
食べ過ぎ飲み過ぎに注意し、就寝前に食べることはしないように。
空腹の状態で寝るように心がけると、脾は元気になります。
◎入浴でリフレッシュ
しっかり湯船につかりましょう。
15分~20分ゆっくり入ることで身体を温め、発汗を促します。
水分補給は忘れずに。水分代謝の入れ替えを意識しましょう。
◎除湿の食材やお茶を取り入れましょう!
小豆、枝豆、緑豆、アサリ、シジミ、わかめ、海苔、きゅうり、もやし、冬瓜、スイカ、空心菜、金針菜、ハトムギ、ハスの葉、ナンバンゲ(とうもろこしのヒゲ)、などはおススメです!
積極的に取り入れてみましょう。
黒豆で水分の入れ替えを!
黒豆は、水分代謝を高める利水(りすい)の働きがあります。
更に、血を補い、潤いをつくる、滋陰補血(じいんほけつ)、解毒などの働きがあります。
つまり、いらない水分を外に出し、必要な水分を作って、体のメンテナンスをしてくれる優れもの。
最近では、黒豆茶や炒り黒豆など簡単に手に入るようになりました。
麦茶を黒豆茶に変えてみたり、ちょっとしたおやつに煎り黒豆を食べてみたりもいいですね。
他にも、料理やお茶以外にも薬酒にしてみるのもおススメです。
【黒豆酒の作り方】
黒豆:50g
ホワイトリカー:300ml
氷砂糖:30g
① 黒豆を皮が裂けるまでしっかりと乾煎りする。
②密閉瓶に粗熱を取った黒豆と氷砂糖を入れて、ホワイトリカーを静かに注ぐ。
③1ヶ月以上冷暗所で熟成させたら出来上がり。
お湯割りがおススメですが、お好みの飲み方でお召し上がりください。
煎り黒豆を使ってもOK。
コンビニなどで売っている焼酎(アルコール25度)200mlに、黒豆(20g)を入れるだけでもOKです。
毎日の生活に気軽に取り入れてみてはいかがですか。
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