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公開日:2021.09.20 更新日:2021.09.206750view

いちじくで秋に多いコロコロ便秘を解消

季節を感じて気軽に薬膳 vol.12

中秋の名月を愛でてから迎える「秋分」
二十四節気の秋分、昼夜の長さが同じになり、ここから夜長の季節を迎えます。

今年は23日が秋分、その前の21日に中秋の名月を愛でることができます。
コロナ禍で行動を制限される日々が続いていますが、夜空を見上げてフッと力を抜くのもよいのではないでしょうか。

大腸を潤して便秘解消を助けるいちじく
実りの秋といえば、梨や柿、ぶどうなどさまざまな果物が浮かんできます。

今回ご紹介するのはいちじく。
漢字では「無花果」と書くように、花は外を向いて咲きません。
私たちがいちじくの果実と呼んでいる部分が、花嚢(かのう)といって小さな花の集まりになっています。

いちじくという名前と果実の形から、イチジク浣腸を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際のいちじくにも整腸作用があり、大腸を潤してお通じをつけます。
さらにのどや肺など呼吸器も潤して、乾燥による咳などを鎮めてくれます。

果物として生のまま、または生ハムなどを添えて前菜として食べるのもおいしいですし、砂糖を加えた甘煮や赤ワイン煮はトロトロの食感が楽しめます。

ドライいちじくと紅茶で手軽なデザートに
いちじくを手軽に活用したい時は、ドライタイプがおすすめです。
イラン産のいちじくは小ぶりで外側がしっかりと乾燥するので硬め。
トルコ産のいちじくは大ぶりで乾燥していても、しっとり柔らかいのが特徴的です。

そのまま食べてもおいしいドライいちじくも、少し手を加えれば立派なデザートになります。
マグカップに刻んだドライいちじくを適量入れたところに、温かい紅茶を注いで3分ほど蒸らすと、いちじくの甘味も味わえる紅茶に変身。
夕方の小腹がすいてくる時間帯にうってつけです。

もう少し手をかけられる方は、シナモンとクローブを加えて紅茶煮を作ってみませんか?
スパイスの香りが秋の夜長を彩り、豊かな気分で眠りにつけるでしょう。

【材料】作りやすい分量
ドライいちじく 100g
紅茶のティーパック 1つ
シナモンパウダー 少々
クローブパウダー 少々
水 200cc
砂糖 大さじ1

【作り方】
①鍋で水を沸騰させたら紅茶のティーパックを入れて、濃い目のお茶を作る。
②①にシナモンとクローブ、砂糖を加えて混ぜ、いちじくを加える。
③弱火で20分ほど煮る。

【薬膳食材メモ】
いちじく:平性/甘味
 肌やのどの乾きを癒し、大腸を潤す

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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