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公開日:2021.08.10 更新日:2021.08.102401view

気になるあなたの夏の不調、「冷房病」かも?

季節の不調と漢方相談Vol.3

様々な不調を引き起こす冷房病
ニホンドウ漢方ブティック京王新宿店の糸永です。

暑さが本格化して来ました。
夏になると体調がいつも優れない、夏バテかな・・・と感じている方、
もしかしてそれは「冷房病」かもしれません!

この「冷房病」の症状は、単に冷房にあたると寒いだけではなく
頭痛、肩こり、むくみ、不眠、月経の不調、倦怠感、胃腸障害など、多岐にわたります。
これらの症状が起こる背景には自律神経の乱れがあります。

温度差の大きい夏の環境こそ不調の原因!
本来人間は、暑い環境になると自律神経が働いて汗をかき、肌の表面を潤し蒸発させることで体温を下げます。
さらに、水分を摂取することで体温調整をする働きが生じます。

これを東洋医学的に見ると「陰陽のバランス機能」ということができます。
健康な状態ではこのバランス機能が保たれていますが、身体がとても熱いと感じる時は、陽(熱)が優勢で陰(潤い)が劣勢となり、陰陽のバランスが乱れています。

この乱れを解消するために、身体は内にこもっている熱(陽)を汗と一緒に外へ出します。
さらにのどが渇くことで潤い(陰)を欲し、水分を摂って劣勢になっている陰を増やして、陰陽のバランスを整えます。

しかし特に近年は猛暑日が増え、屋内の冷房使用が推奨されるようになりました。
暑い屋外と冷房で冷やされた屋内という、温度差の大きい環境が当たり前になり、夏の間、私たちは急激な環境変化を繰り返すことになります。
この変化はバランス機能に過剰な負荷をかけてしまい、その結果、調整の働きそのものが悪くなって「冷房病」の症状を引き起こします。

冷房病に負けない養生法
冷房病にならない身体づくりの養生法として、次の3つを心がけましょう。

★三首(首、手首、足首)を冷やさない、羽織りものやひざ掛けを使う
三首は外部気温の変化に敏感で、ここが冷えると身体全体が冷えやすくなります。
冷房の効いている屋内では一枚羽織ることで三首を冷えから守り、身体の急激な温度変化を防ぎます。

★冷たい飲み物は避けて常温以上の飲み物を
東洋医学では身体を温める働きがある「気」を生成する上で、胃腸が重要な役目を果たします。
冷たいものを摂取しすぎると胃腸の働きが悪くなり、「気」を生成できないので、身体はどんどん冷えやすくなります。

★夏に旬をむかえる食材を食べる
ゴーヤ、ピーマンなど苦みのある食材は、身体の不要な熱を外に出すのを手伝ってくれますし、キュウリやトマトは身体に潤いをもたらしてくれます。
オクラやモロヘイヤのネバネバは、胃腸の働きを助けてくれます。

〈おすすめレシピ〉
オクラ、モロヘイヤをゆでて刻み、だししょうゆなどで簡単に味付けをします。
キュウリやミニトマトのトッピングをしてそのまま食べても美味しいですし、食欲がない時はご飯にかけても!!

毎年体調が悪くなる夏が苦手、夏の不調がなかなか治らない・・・
など思い当たることがある方、ぜひお気軽にご相談ください。
相談員が体調・体質をじっくりと伺って、その方に合った養生法などをご紹介しています。

糸永 ともみ - Tomomi Itonaga -
[ニホンドウ漢方ブティック京王新宿店副店長]
管理栄養士として病院で勤務後、自然食、薬膳などに興味を持ったきっかけで2011年に薬日本堂入社。お客さまと歩調を合わせ、一緒に取り組んでいく姿勢を持つことを心がけながら日々カウンセリングを行っている。「漢方の考え方を知ると世界観が変わります。ご自身の体調管理はもちろん、これから先の予防医学としてぜひ役立てていただきたいです」。
ニホンドウ漢方ブティック 京王新宿店

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