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公開日:2021.03.10 5987view

気分も肌も明るくなる、春の「朝チャイ習慣」

未病を癒す美養生 Vol.12

休息モードの陰から活動モードの陽へ動く季節
夜明けの時間が日に日に早くなる3月。
お花屋さんには、可愛らしい色彩の春の花が並びだしました。

春分の日を境に、自然界の気が大きく転換。季節が陰から陽に切り替わります。土の中で眠っていた虫たちが動き出し、固い種の中で栄養を蓄えていた植物が芽吹く。そこかしこで、エネルギーが活気づいてくるのです。

実は、こうした外気の変化は、私たちの心身にも影響を与えています。
明るく前向きな気分になる一方で、「気分が落ち着かない」「わけもなく落ち込む」という日があったり、布団に入っても目が冴えて眠れない日があったり。思い当たることはないでしょうか。
春先にこうした現象が起こるのは、自然界同様、心と体の陰陽もバランスが変動するからなのです。

春先の体は、休息モードの「陰」の状態から、活動モードの「陽」へと変化します。
陰陽のバランスが揺れ動かないよう、緩やかに、スムーズに切り替えるには、徐々に盛んになってくる陽気の上昇を助けることが肝心といえるでしょう。

スパイス&足裏ツボで陽気UP
そこでおすすめしたいのが、春の「朝チャイ習慣」。
スパイスのたっぷり入ったチャイを一日がスタートする朝の時間に飲む健康法で、陽気が目覚めます。

茶葉を発酵させた紅茶は、体を温める温性のお茶。
そこに、温める働きのあるスパイスを複数加え、5分ほど煮出します。チャイスパイスには、お腹を温めるクローブ、ブラックペッパー、乾燥ショウガ、女性の冷えにいいカルダモン、シナモン、そして、気血を補う性質のあるナツメなどをお好みで。最後に、黒糖を加えると、温め効果がアップします。

さらに、余裕のある方は、チャイを飲みながら足裏のツボを刺激してみましょう。
足底には、「湧泉(ゆうせん)」というツボがあります。「湧泉」の別名は「地衝(ちこう)」。
その名が表すとおり、気血が地面から湧き上がるように出てくる泉のような性質をもつ重要なツボです。
椅子に座りながら、ゴルフボールやテニスボールをコロコロ転がしながら足裏を刺激すれば、全身に気血が巡り、末端の冷えや顔のくすみ予防になるでしょう。

布団から出るのがちょっとつらい時季ではありますが、いつもより10分早起きして「朝チャイ習慣」にトライしてみて!体の内側からウォームアップすることができ、気持ちも肌も、明るく活性化するはずです。

【材料】(2杯分)
・紅茶(葉が細かいタイプ)…小さじ1
・カルダモン(ホール)…5粒
・クローブ(ホール)…6粒
・黒粒こしょう…10粒
・シナモンスティック…1/2本
・乾燥ショウガ…2~3枚
・ナツメ…1個
・牛乳…100㏄
・黒砂糖…適量

【作り方】
①鍋に水500㏄とナツメを入れ、火にかける。スパイスは包丁でたたいて軽くつぶす。
※ナツメはそのままでもよいが、切れ目を入れたり、爪楊枝で数か所穴を開けると味がよく出る。
※種は大きめで尖っているので要注意。
②鍋の水が沸騰したら、紅茶とスパイスを入れ、5分程度煮出す。
③牛乳を加えて再度沸騰させたら出来上がり。
④茶こしを使ってカップに注ぎ、黒糖を加えてよく混ぜる。



岡尾 知子
岡尾 知子 - Tomoko Okao

漢方養生指導士(漢方上級スタイリスト)、国際中医師、国際薬膳師、鍼灸師。美容・健康をテーマに美容・健康エディターとして仕事をする中で東洋医学に関心をもち、漢方、中医学、薬膳を学ぶ。雑誌やラジオ、イベントなどを通じて、美容と健康のための薬膳や養生についての啓発活動を行う。はり師・きゅう師の国家試験に合格し、鍼灸師として東京の「池袋ひりゅう鍼灸院」で臨床にあたっている。詳しい情報は「LOTUS(ロータス)薬膳教室」「薬膳ノート」で検索を!

◎薬膳教室:「TUMUGU東京青山」http://www.tumugu-aoyama.jp/

◎HP:「薬膳ノート」http://www.yakuzennote.com

◎ブログ「Eat & Run! 岡尾 知子の美・薬膳な日々」http://ameblo.jp/yakuzen-navi/

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