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公開日:2020.07.10 更新日:2020.07.136525view

若々しく、元気に美しく!命育む「人参養栄スープ」

未病を癒す美養生 Vol.8

気血を補う「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」

7月になりました。今年の梅雨は、例年にも増して湿気の不快感が厳しく感じられませんか? 
湿気の多い季節は、ただでさえ体調を壊しやすいもの。今年は新型コロナウイルスによる自粛生活の影響で、さらにその傾向が顕著になっている気がします。梅雨が終われば厳しい暑さがやってきて、体力を奪われることに。コロナの次なる猛威にも備え、今からしっかり養生しておきたいものです。

新型コロナウイルス対策として、漢方薬や鍼灸などの東洋医学が推奨されています。
その中のひとつが、「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」というお薬。
漢方薬の中でも代表的な補益薬(体を元気にしてくれる薬)で、「気」と「血」の両方を補ってくれるのが特長です。
産後の体力低下時などに用いられることから、年齢を重ねた女性の体力・若さの低下にもいいとされています。まさに、エイジング対策にも、感染症予防にもなりそうですよね。

高麗人参を薬膳スープに

「人参養栄湯」に使われている生薬の主役は、何といっても人参(高麗人参…朝鮮人参、御種人参ともいう)。生命力そのものである「気」を補う素材の中でもトップクラスにあたる素材です。
五臓の「肺」も元気にするので、バリア機能の要である呼吸器官を丈夫に!病気に負けない体をつくるのにはもってこいの素材といえるでしょう。
日本では薬ではなく食材として扱われているので、実は手軽に使える乾物でもあります。少々、お値段が張りますが、こんな時ですから、日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょう。

そこで今回は、元気を補う人参を使った滋養溢れる薬膳スープをご紹介します。題して「人参養栄スープ」。
人参、鶏ひき肉で出汁をとり、具材には「気」と「血」の両方を補う美容食材の大棗(なつめ)、免疫力を高める成分を含むことで話題のきのこを加えました。
これらはすべて気を補ってくれる「補気」の食材で、湿気による消化機能の低下、夏バテ防止、加齢による体力低下をサポートしてくれるもの。
今回は、梅雨のむくみ対策のために、余分な水分を取り除く冬瓜もプラスしてみました。

材料(2人分)
・人参(乾燥高麗人参、御種人参)…3g
・乾燥なつめ…2個
・きのこ(3~5種類)…適量
・ハスの実…4個
・鶏ひき肉…70g
・冬瓜…50g
・塩…少々

作り方
①人参、蓮の実は鍋に入れ、水500㏄を加えて15分ほどひたす。
 鶏ひき肉をボウルに入れ、60℃程度のお湯をかぶるくらい入れて箸でほぐす。
 冬瓜は種と皮をとり2㎝角に切る。

②①を強火にかけ、沸騰したら鶏ひき肉を入れ、アクをとりながら5分煮る。

③食べやすく割いたきのこ、冬瓜を加えて15分煮て、塩で味を調える。

ひき肉で出汁をとれば、スープストックなしでも時短でおいしい薬膳スープに。簡単な作り方を紹介しますので、ぜひ作ってみてください。

岡尾 知子
岡尾 知子 - Tomoko Okao

漢方養生指導士(漢方上級スタイリスト)、国際中医師、国際薬膳師、鍼灸師。美容・健康をテーマに美容・健康エディターとして仕事をする中で東洋医学に関心をもち、漢方、中医学、薬膳を学ぶ。雑誌やラジオ、イベントなどを通じて、美容と健康のための薬膳や養生についての啓発活動を行う。はり師・きゅう師の国家試験に合格し、鍼灸師として東京の「池袋ひりゅう鍼灸院」で臨床にあたっている。詳しい情報は「LOTUS(ロータス)薬膳教室」「薬膳ノート」で検索を!

◎薬膳教室:「TUMUGU東京青山」http://www.tumugu-aoyama.jp/

◎HP:「薬膳ノート」http://www.yakuzennote.com

◎ブログ「Eat & Run! 岡尾 知子の美・薬膳な日々」http://ameblo.jp/yakuzen-navi/

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