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公開日:2020.05.10 更新日:2020.07.095461view

“おこもり便秘”を解消する「ごぼう味噌」を作ろう

未病を癒す美養生 Vol.7

“おこもり便秘”急増中!

新緑の5月。一年の中で、いちばん気持ちのいい季節がやってきました。
本来なら、旅行に出かけたり、スポーツで汗を流したり、町をお散歩したりして、お出かけを大いに楽しんでいる時期なのに、今年はコロナウイルスのおかげで外出自粛を余儀なくされています。感染を避けるには、こうしたみんなの努力が何より重要ですが、何週間も続くと、さすがにストレスがたまりますよね。そんなストレスに、さらに拍車をかけているのが、最近、急増中の〝おこもり便秘〟です。

外出自粛でリモートワークが続いている影響で、多くの人が運動不足になっているようです。
食事についても、食材の買いだめを余儀なくされることから、新鮮な野菜の摂取量がどうしても減ってしまいます。また、毎日の料理の手間を省くために、チャーハン、焼きそば、丼ものなど、炭水化物中心のメニューに偏りがちに。これでは、便秘になるのも当然です。
さらに、鬱々としたストレスも、気の巡りの低下を招き、便秘をさらに悪化させる要因に。この悪循環、何とかしたいですよね。


ごぼうは〝快便〟のスーパーフード
私の周りにも、「最近、便通が不調で…」とか「久しぶりにお薬に頼っちゃった」という人が急増中。そこで今回は、そんなときにお役立ちの快便常備菜「ごぼう味噌」をご紹介します。

ごぼうは、便通改善のスーパーフード。その理由は、水溶性と不溶性、2種類の食物繊維が豊富な点です。
食物繊維には、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維があります。不溶性食物繊維はかつて「食べ物のカス」とされていたものですが、便のカサを増やし、便通を促す役割を果たします。不溶性食物繊維は、体に有用な腸内細菌のエサになってくれる重要な存在。ごぼうには、2種類の食物繊維が豊富に含まれるのです。さらに、腸内環境を整えるオリゴ糖の含有量も、野菜の中ではトップクラス。昔から「便秘にはごぼう」といわれるのもうなずけます。

発酵食品“味噌”とのコラボレート
これに合わせるのが、味噌、ごま・ごま油です。味噌は、日本が誇る発酵食品の代表。ごぼうと同様、オリゴ糖を含み、善玉菌を加勢してくれます。味噌のパワーを生かすなら、〝だし入り〟タイプではなく、必ず生味噌を使うこと。加熱しすぎると、酵母菌が死んでしまうので、長時間炒め過ぎないようにしましょう。ごま、ごま油は、良質な油を含むのが魅力で、薬膳でも便通改善にいいとされています。油によって腸内の潤いがアップし、便の滑りがよくなりますから、いつもの炒め物より少し多めに使うことをお勧めします。

【材料】
・ごぼう…1本
・長ねぎ…5㎝
・ごま油…大さじ2
・味噌…大さじ11/2
・みりん…大さじ1
・白すりごま…大さじ1
・はちみつ…適量

【作り方】
①ごぼうは粗いみじん切りにして水にさらし、軽くアクをとる。長ねぎはみじん切りに。
②フライパンにごま油を入れて温め、ごぼうを加えて中火~弱火で炒める。
③約半分のカサになったら長ねぎを加え、味噌、みりんを加えて炒め合わせる。
④白すりごまを加え、甘みが足りなければはちみつで味を調える。

5月は、柔らかく香りのいい新ごぼうの季節。そんな旬の野菜を使った常備菜は、白いご飯に、きゅうりや蒸し鶏につけて、また、ハンバーグなどに混ぜ込んで……とさまざまな使い方ができます。お腹の調子にうれしい変化が表れることを期待して、ぜひお試しください。

岡尾 知子
岡尾 知子 - Tomoko Okao

漢方養生指導士(漢方上級スタイリスト)、国際中医師、国際薬膳師、鍼灸師。美容・健康をテーマに美容・健康エディターとして仕事をする中で東洋医学に関心をもち、漢方、中医学、薬膳を学ぶ。雑誌やラジオ、イベントなどを通じて、美容と健康のための薬膳や養生についての啓発活動を行う。はり師・きゅう師の国家試験に合格し、鍼灸師として東京の「池袋ひりゅう鍼灸院」で臨床にあたっている。詳しい情報は「LOTUS(ロータス)薬膳教室」「薬膳ノート」で検索を!

◎薬膳教室:「TUMUGU東京青山」http://www.tumugu-aoyama.jp/

◎HP:「薬膳ノート」http://www.yakuzennote.com

◎ブログ「Eat & Run! 岡尾 知子の美・薬膳な日々」http://ameblo.jp/yakuzen-navi/

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