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公開日:2020.01.10 更新日:2020.05.1518264view

美肌とかぜ予防に「朝の甘酒」「夜の甘酒」

未病を癒す美養生 Vol.5

秋冬の美養生は乾燥対策から

令和最初のお正月を迎え、いつもの日常がスタートしました。年末年始は、大掃除、新年の準備、お祝いの席など何かと忙しいもの。1月、2月は一年の中で最も寒さが厳しい季節ですから、しっかり養生して健康を保ちたいものです。

冬の「美養生」で、ぜひ意識していただきたいのが手肌、かかと、唇の乾燥。特にこの時季は、冷たく乾いた北風や、エアコン、床暖房などによる室内の乾燥も加わりますから、肌の乾燥はより一層進みします。

漢方では、激しい乾燥は五臓の「肺」そして「大腸」にダメージを与えると考えます。肺や呼吸器の粘膜、そして肌は外側で体を守る働きがあり、乾燥すると防衛機能も十分に果たせなくなります。
実は「大腸」も、腸内細菌の働きで体の免疫系を担う重要な臓器。腸内環境を整えることも、美容と健康に欠かせない要素です。美容のためにも健康のためにも、潤いを与え、腸内を健やかに保つ必要があります。

消化を助ける甘酒は、美肌もサポート

そんな今の季節におすすめの薬膳が、今、女性の間で人気の「甘酒」。甘酒の材料である「麹」は、古くから伝わる発酵食品のもとで、漢方・薬膳の世界では消化を助ける働きがあるとされています。

甘酒の最大の魅力は、高い栄養価にあります。美肌に欠かせないアミノ酸やミネラルが非常に豊富。さらに、体の代謝に欠かせないビタミンB群、なかでも皮膚の健康を保つのに必要なビタミンB2、ビタミンB6や、造血作用をもつ葉酸などを豊富に含んでいます。「肌の乾燥がひどくて…」とお悩みの方は、毎日の甘酒習慣を始めてみてはいかがでしょう。

甘酒の作り方はとても簡単。お粥を使う方法もありますが、私は米麹だけを発酵させてつくる麹甘酒を勧めています。

材料(作りやすい分量)
米麹…200g
湯(60℃)…150㏄

作り方
①米麹をパラパラにほぐし、沸かして60℃に冷ましたお湯をかけてなじませる
②炊飯器を55~60℃に設定し、8~10時間保温。ときどきかき混ぜながら発酵させる。(温度調節機能がない場合は、保温できるジャーなどで代用。お湯の温度を65℃くらいにする)
③出来上がった粒々の甘酒は、軽くミキサーにかけ、なめらかにすると使いやすい

朝はフルーツを添え、夜は「葛根湯風甘酒」に

手作りの甘酒は、トロトロで自然な甘味がたっぷり。お湯で好みの濃さに割って飲むのが基本です。さらに、おいしくて薬膳効果も期待できるこんな食べ方もあるんですよ!

お腹にやさしい「甘酒」は、ヨーグルトと同じ発酵食品。そこで、朝食の際、ヨーグルトのようにフルーツと一緒にいただきます。いちごやりんごを漬け込んでも、フルーツポンチのように甘味が増し、甘酒の苦手な方もおいしく食べられます。ドライフルーツやナッツとの相性も抜群。フルーツの抗酸化作用、ナッツの良質な油もとれるから、美容にいい食べ合わせに!

寒い夜におすすめなのが、生姜を効かせた「葛根湯の甘酒」。かぜの初期に用いる葛根湯に入っている生姜、シナモン、葛粉を加える薬膳ホットドリンクです。甘酒に水、吉野葛、すりおろした生姜を適量加え、軽く混ぜたら電子レンジへ。シナモンパウダーをふっていただくと内側からポカポカに!葛根湯は肩こりにも効く漢方薬。そんなお薬にあやかったホットドリンクですから、パソコンやデスクワークで肩こりを抱えがちな人は、試す価値ありです。

「飲む点滴」とも割れる甘酒は、俳句の世界では夏の季語だそう。でも、中身を見れば冬の美容と健康に大いに役立つことがわかります。市販のものも手軽でよいけれど、自家製ならいっそう愛着がわきそう! 寒さのピークを迎える今の時季から、ぜひお試しください。

岡尾 知子
岡尾 知子 - Tomoko Okao

漢方養生指導士(漢方上級スタイリスト)、国際中医師、国際薬膳師、鍼灸師。美容・健康をテーマに美容・健康エディターとして仕事をする中で東洋医学に関心をもち、漢方、中医学、薬膳を学ぶ。雑誌やラジオ、イベントなどを通じて、美容と健康のための薬膳や養生についての啓発活動を行う。はり師・きゅう師の国家試験に合格し、鍼灸師として東京の「池袋ひりゅう鍼灸院」で臨床にあたっている。詳しい情報は「LOTUS(ロータス)薬膳教室」「薬膳ノート」で検索を!

◎薬膳教室:「TUMUGU東京青山」http://www.tumugu-aoyama.jp/

◎HP:「薬膳ノート」http://www.yakuzennote.com

◎ブログ「Eat & Run! 岡尾 知子の美・薬膳な日々」http://ameblo.jp/yakuzen-navi/

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