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公開日:2019.12.01 更新日:2020.05.1510709view

なぜ冬に急増!?~コロコロ便秘・ガチガチ便秘~

プチ不調は自分でカイゼン Vol.8

乾燥と寒さで腸が冬眠!?

毎日届けられる、大きなお便り(大便)で自分の健康状態を判断しましょう。
ここ数年、小学校では「うんちドリル」が流行っているようですが、そこで書かれているうんちのイラストが、理想的なお便り(便)です。
食物繊維が少ないと便の量は少なくなり、腸に水分が多すぎると軟便に、腸の水分が少ないと固くコロコロしてきます。

冬になると、腸は乾燥で潤いがなくなり、寒さで動きが悪くなるので、冬眠状態になります。
慢性の便秘の方はもちろん、いつもは便秘でない方もスッキリ感がなく、コロコロ便やガチガチ便で悩む方が増えてきます。
このように乾燥や寒さが原因で便秘になっている方以外にも、身体の余分な熱が腸の潤いを奪い便秘になる方やストレスが腸の動きを悪くして便秘になっている方などタイプは様々です。

便秘の簡単養生法

様々なタイプはありますが、すべてに言えることは、腸の潤いキープとスムーズな流れです。
お腹周りは冷やさないこと、食物繊維は意識して取ること、ウォーキングは腸の動きの助けになるので歩くこと・・・など対策はいろいろありますが、ここでは、この時期に特におすすめの養生法をお伝えします。

●クルミ・ゴマ・ハチミツ
クルミとゴマをすりつぶし、そこにハチミツを少量ずつ加えていきます。親指の第一関節くらいの大きさのボール玉を作っていきます。これを毎日朝晩2~3個ずつ食します。そのまま食べてもいいですし、お湯に溶かしてもOKです。

●ほうれん草のゴマ油炒め
ほうれん草1束を軽く湯通しします。ゴマ油で炒めそれを朝と晩の2回に分けて毎日食します。

●松の実で潤腸対策
松の実の働きは、潤腸通便(じゅんちょうつうべん)と言われています。
そのままつまんでも良いですし、サラダのトッピングやすりつぶしてお粥などにしてもいいですね。

●2秒5秒呼吸法
ストレスや緊張により腸が収縮してしまいます。便が出ないストレスを感じたときは2秒吸って5秒吐く、2秒5秒呼吸法を意識して行ってみましょう

どくだみでで毒だし対策

便通を整えるお茶としては、ドクダミやハブ茶、ごぼう茶などいろいろあります。ここでは日本の民間薬として有名などくだみについて紹介します。

どくだみを中国語では‟魚腥草(ぎょせいそう)“、英語では‟fish mint”など、魚にちなんだ名前がついているように、強い臭気があるのが特徴です。
根を伸ばしてどんどん増えるので、やっかいな雑草としても知られていますが、害虫を寄せ付けない対策として活用する場合もあるようです。
どくだみの臭いは乾燥すると変化するため、お茶は飲みやすく健康茶として人気があります。

どくだみは日本薬局方にも収載されているれっきとした生薬です。生薬名は「十薬(じゅうやく)」といい、五物解毒散(ごもつげどくさん)という漢方薬で使われています。

どくだみの働きは、
●清熱解毒(せいねつげどく)
●排膿、利尿(はいのう、りにょう)

便が臭い方、ニキビや吹き出物が気になり便秘がちな方、膀胱炎や蓄膿の方などにおススメです。熱がこもっているタイプの方によりおススメのお茶ですね。

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鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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