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公開日:2019.01.05 更新日:2020.05.196047view

「足湯」で養生!こごえる寒さを吹き飛ばせ!

鍼灸雑話その12

養生は「いつでも」「どこででも」「誰にでも」出来るもの

みなさん、明けましておめでとうございます。
正月は楽しく過ごされましたか?
私は、特に出かけることもなく、家でのんびり養生気功修行をして過ごしています。

さて。
鍼灸術の先生に、よく言われたことを思い出しました。

■用法よりも養法が大切で、これが一番難しいものだ。
■治療をすることより、養生の法を教え実践してもらうことが大切だ。
■養生の法は、道具に頼らず、たとえお金が無くても実践出来るものであること。
■老若男女、人種、貴賤などは一切問わず、誰でも実践可能で、実践すれば誰でもその恩恵を受けることが出来るもの。

この考え方は、私にも大きな影響を与えました。
漢方の世界で、これに一番適するものは「気功」ではないでしょうか。
気功は、室内でも、野外でも、飛行機や電車の中ででも、世界中を旅していても、自分が「やろう」と思えばその場で出来ます。
鍼や艾(もぐさ)もいらず、漢方薬や薬膳食材も必要ありません。「我が身ひとつ」あれば事足りるのです。

自分をみつめて気功の訓練

今、このコラムを読んでいる自分の姿勢はどんな感じですか?
背筋は?肩はリラックスしていますか?
座り方、立ち方はどうですか?
深呼吸出来ていますか?
今、どんな場所にいますか?
どんな音が聞こえますか?
イライラしていませんか?

今、自分がどんな呼吸をしていて、どんな動きをしているのか?
自分の身体に少しだけ興味を持ち、少し集中し、その集中を持続していければ、それは良い気功の訓練になります。

いつでも、どこででも、誰にでも出来て、道具もお金もいらない。
こういう養生法なら、無理をせず長く続けることが出来ます。

そんな養生法のひとつに「足湯」があります。
足をいれる容器と、熱いお湯さえあればいい!!

足湯の絶大な威力!!

足湯を勧めると、よく「お風呂には入るんですが」と言われますが、入浴と足湯は別物です。
普通の入浴は、心臓への負担も大きいため、心臓疾患のある方はもちろん、体力の落ちた方は風呂より足湯がおすすめです。

【足湯の準備】
・両足を入れられるバケツ(足湯専用バケツが便利)
・43~45度くらいのお湯
・差し湯ポット

【足湯の方法】
①バケツに湯を入れる。深さは「くるぶし以上、ふくらはぎ以下」
②塩または酢を大さじ1~2杯加え、足を入れてタオルでふたをする
③ぬるくなったら手元に用意した差し湯をつぎ足し、20~30分ほど浸かる

私はよく塩を入れますが、足がスベスベになります。特別な塩や酢である必要はありません。
残った茶葉や煎じたあとの漢方薬などを入れることもあります。

【足湯の注意点】
強い胃腸障害のある人は、湯の温度を低めに、時間も短めからスタートさせてください。
まれに胃腸に痛みが出たり、吐き気が出ることもあります。
一種の「湯あたり」のような症状です。心配する必要はありませんが、無理は禁物です。
じっくり続けていけば、胃腸障害も徐々に回復してくるでしょう。

夜寝る前に行えば、ぐっすりよく眠れるようになるでしょうし、朝起きて行えば身体も軽やかに仕事が出来ることでしょう。
足の疲れやむくみなら、スッと楽になるのを感じるでしょう。

膝が変形して痛み、杖をついて歩いていた80代の女性。
朝晩2回の足湯を毎日実践したところ、2ヶ月後には杖なしで歩けるようになった!と報告をいただきました。それ以外にも、不眠や頻尿、生理不順の改善などよい報告もありました。

効果だけを求めて行うものではありませんが、何か不調があってお悩みの方は今日から試してください。
悩みのない方も、より健康に、医療機関にかからず長生きするために始めてみるとよいでしょう。

今年の冬は寒いそうですので、ぜひ「足湯ライフ」を楽しんで実践して頂ければと思います。
それでは、本年も宜しくお願い致します。

山本 浩士
山本 浩士 - Hiroshi Yamamoto

鍼灸師(厚生労働大臣免許・国家資格) 兵庫県西宮市出身。

幼少より武術修行を始め、師より医武同源の考えを教わり、武術と医術の両立を志す。

高校卒業後、大阪のアクションチームに所属し、映像や舞台などで仕事をする。

2009年、はり師・きゅう師の国家資格を取得し、地元兵庫県西宮市で「はり灸楊鍼堂」を開院。千葉の恩師から、参禅や滝行の修行を通して伝統医術を学ぶ。また、数名の先生から江戸時代の鍼術や道家気功鍼などを学び、難病や慢性疾患に対する臨床経験を多く積む。2015年に東京へ移転。2016年から、ポーランドやイタリアで鍼灸、気功、武術、導引按腹の出張講義を開始。2017年11月から、自由が丘で「漢方鍼灸 和氣香風」を妻とともに開業。

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