- 小林 香里 - Kaori Kobayashi
[ 国際中医師,国際中医薬膳師,登録販売者 ]
20代の頃、過労とストレスで身体をこわしたことをきっかけに、北京中医大学日本校にて中医学や薬膳を学び始める。2005年、薬日本堂(株)に入社。店舗での漢方相談をはじめ、取材対応や薬膳レシピ監修、漢方スクール講師を務める。2017年10月退社の後、目黒区自由が丘に漢方薬店と鍼灸院を併設する漢方・鍼灸「和氣香風」を設立。自店にて漢方相談を行う傍ら、薬日本堂漢方スクールでも講師として活動。
漢方鍼灸和氣香風HP:kakikofu.com
小林香里個人ブログ :kaori-kampo.seesaa.net
インスタグラム :kaori_kampo
スパイスの効いた薬膳チャイで、寒さをのりきろう!
ちょい足し薬膳ドリンク Vol.11
我が家の養生~足湯で医者いらず!?
みなさんはどのような冷え対策をされていらっしゃいますか?
我が家では、今年は8月5日から、私も主人も毎日足湯をしています。それまで足湯は時々するくらいだったのですが、気功の老師から改めて足湯の良さを学び、日々実践しています。
するとどうでしょう。
朝に足湯をすると元気が出て、からだが軽くなります。夜に足湯をすると、睡眠の質が良くなるのを実感しています。
今は足湯がとっても気に入ってしまい、足湯をせずにはいられません。
「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」は養生の基本ですが、靴下を何枚も重ねてはくより足湯は即効性があります。
今では漢方相談のお客様や、漢方スクールの生徒さんにも必ずおすすめしています。
お店のお客様におすすめしたところ、ある1人のお客様はご自身はもちろん、80代のお母様にもおすすめして親子で実践されています。
お母様は、片方の膝の半月板がすり減ってしまい、足を少しひきずるような歩き方をしていたようなのですが、
毎朝足湯をするようになってからは、痛みがなく普通に歩けるようになったとの報告を頂きました。
しかも、それまでは毎週整形外科に通って注射をしていたのが、足湯を始めてからは通う必要がなくなったのです。
この他にも足湯の実践報告をたくさん頂いております。
漢方の知識も養生も知っているだけでは意味がありません。実践、経験、継続してこそ知恵になると改めて思った一件でした。
桂枝(けいし)と桂皮(けいひ)とシナモンスティック
寒くなってくると、お菓子屋さんやカフェでシナモンを使ったメニューが増えてきます。
私はシナモンが苦手なのでシナモンパウダーがかかったパンやアップルパイは自分では買いませんが、漢方薬は別です。
ちょっと寒気がする時には桂枝湯(けいしとう)や柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を飲みます。
からだの血巡りが悪く、瘀血(おけつ)が気になる時に桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)を飲むと、なぜか美味しく感じます。
冷えて血行が悪くなると、顔色がくすんでくるので、桂枝茯苓丸はこの季節、私が手放せない処方になっています。
漢方薬に用いられる生薬に桂枝と桂皮があります。ともに、クスノキ科のケイで、からだを温め、血の巡りを良くしますが、使用部位と効能が少し異なります。
ケイの幹を良質に育てるために、初秋に枝打ちをした若枝が桂枝、その葉を桂葉(けいよう)、未熟果実を桂丁(けいちょう)・桂子(けいし)といい、桂枝は生薬に、桂葉・桂丁・桂子は桂油の原料にされます。
桂枝は発汗作用があるため、悪寒や悪風、発熱、節々の痛みなどカゼのひき始めに用いられます。
葛根湯にも配合されています。ぞくぞく寒気を感じたら桂枝の出番です。
桂皮は若い幹の樹皮で、雨が多く樹皮が剥がれやすい4月頃に収穫されます。
からだを芯から温めるため、慢性化した冷えや、足腰・関節の痛み、月経痛や不妊などに用いられます。
八味地黄丸(はちみじおうがん)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)に配合されています。
スーパーで手に入るシナモンスティックは、スリランカなどで栽培され、枝の皮を剥がして筒状に成形されたもので、主に香辛料として用いられています。
手に入りやすいので、日常の寒さ対策として上手に利用したいですね。
シナモンスティックを使って自分だけのチャイを作ってみよう
今回はからだを芯から温める薬膳チャイのご紹介。
スパイスは、ご自身でアレンジしてオリジナルチャイを作ってみるのも楽しいですよ。
【材 料】
□ シナモンスティック ・・・ 1/3本
□ なつめ ・・・ 1個(キッチンバサミで切れ目を数か所入れる)
□ 生姜スライス1枚
□ 茴香(フェンネル) ・・・ 小さじ1/2
□ 紅茶(アッサム) ・・・ 小さじ1
□ 水 ・・・ 50cc
□ 牛乳 ・・・ 150cc
【作り方】
①鍋にシナモン、なつめ、生姜、茴香と水を入れて沸騰させる
②茶葉も入れて再度沸騰させ、紅茶の色が出るまで煮出す
③牛乳を加え、数分煮出し、茶こしでこしてカップに注ぐ
お好みで、黒糖やハチミツで甘さをつける
なつめで気血を補い、生姜と茴香でお腹を温めます。
足湯とチャイで寒さ対策、ぜひお試し下さい。
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