- 市川 三弓 - Miyumi Ichikawa
漢方スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、ハーバルセラピスト、フードコーディネーター。一児の母。自身の体調不良をきっかけに漢方・薬膳を学ぶ。肉親の病も薬膳でサポートし克服。飲食店舗での薬膳イベント開催や薬日本堂でのセミナー講師を経て、現在は子供向けの薬膳を日々研鑽中。
◎レシピ協力
『薬日本堂の漢方で体をととのえる穀菜食』(主婦の友社)
『はじめての漢方ライフ 薬膳レシピ&食材べんり帳』(主婦の友社)
◎子供のご飯記録:https://www.instagram.com/ikumeshi2017
あせもなどの赤い湿疹に、豆腐の緑豆ソース乗せ
子供の薬膳 〜乳幼児編 Vol.1
薬膳を取り入れたお家ごはんで子供の体調管理を
毎日慌ただしく育児をして、家事をして、ママさんパパさんは本当に大変ですよね。
さらに、子供がカゼをひいたり、熱を出したり、子供の体調不良も重なると、もうてんやわんやになります。
病院にかけこんで、薬をもらって一安心。
早く良くなってね、と子供の治る力を信じて祈るしか出来ません。
でも、祈ることに加えて、毎日のごはんでも子供の体調管理のサポートができるのです。
体調により、選ぶ食材を変える、調理方法を変える。
そうすることで、子供の元気な姿を見るのが少しでも早くなるかもしれません。
それが子供の薬膳です。
新しく始まりました「子供の薬膳〜乳幼児編」では、子供の体調管理のサポートができる献立作りのヒントになるような情報をお届けしていきたいと思っています。
乳幼児編ですので、乳幼児でも食べやすいような硬さや味にしたメニューをご紹介していきます。
赤い湿疹は、熱のこもり
第1回目は、春先から増え始める赤みをおびた湿疹対策についてご紹介します。
赤ちゃんのお肌はまだ弱く、すぐに赤い湿疹が出来てしまいます。
乳幼児期の平熱は、約36.5度〜37.5度と、成人より0.5度位高めです。
体温の高い子供は、漢方では「陽」に分類されます。
太陽のような陽のエネルギーがいっぱい詰まっている状態です。
陽の気がいっぱいで、更に皮膚もまだ敏感なので、少しでも肌に刺激があると、すぐに汗疹やオムツかぶれなどの赤い湿疹が出来てしまいます。
漢方では、赤みを帯びた湿疹は、患部に熱がこもっている状態と考えます。
そんな時に、辛いカレーなどを食べたら、赤い湿疹は更に熱を帯び痒さも増し、治りも遅くなってしまいます。
赤みを帯びた湿疹がある時は、外側(皮膚)からは、赤みを抑える薬を塗りつつ、内側からは、清熱(せいねつ)食材で体にこもった熱を鎮めてあげましょう。
今回は、清熱解毒作用のあるお豆腐と緑豆で、豆腐の緑豆ソース乗せをご紹介します。
【材料】
緑豆...大3(約45g ※乾燥時)
和風出汁...30ml
醤油...小1/6位
豆腐...子供の月齢・年齢に合わせた食べられる量で
【作り方】
①緑豆を洗い、3倍量の水に一晩浸けておきます。
②①の緑豆と、300mlの水を鍋に入れ煮ます。沸騰したら蓋を外して中弱火で10分程煮て、火を止めてから20分程寝かせます。
③②の緑豆をブレンダーで潰した後、濾します。
*ブレンダーで潰す際に、茹で汁を少しづつ入れて潰しやすくします。(入れすぎると苦くなるのでブレンダーの回転補助程度に入れます)
*硬いものもしっかり噛んで食べられるお子さんは漉さなくても大丈夫ですが、緑豆は皮が固めなので、時間があるときは漉してあげると食べやすくなります。また、その後のアレンジレシピでも使いやすくなります。
④漉した緑豆を和風出汁で好みの硬さまで伸ばしたら、豆腐に乗せて完成です。
*今回はトッピングで子供も好きな枝豆を乗せました。枝豆がアクセントになり、大人でも美味しく食べられます。
【食材メモ】
緑豆:体の余分な熱を取り、解毒の働きもあるので、発熱、目の充血、吹き出物などをやわらげてくれます。
豆腐:体の余分な熱を取り、潤すので、空咳、口渇などをやわらげる働きがあります。脾の働きを高めるので、消化不良にもおすすめです。
漉した緑豆ソースは、牛乳と甜菜糖で寒天プリンにしたり、マヨネーズや豆腐と混ぜて、野菜スティックのディップにしたり、一度作ると色々と使いまわせます。
緑豆を潰しただけの状態でも、ハンバーグやシュウマイの種に混ぜたり、トーストのトッピングにしたりとアレンジができます。
緑豆は聞きなれないお豆かと思いますが、清熱解毒のほかにも、夏バテを予防する働きなどもあり、暑い時期におすすめしたい食材です。
スーパー等での取り扱いはあまりありませんが、富澤商店など専門店でご購入いただけますので、暑い時期の常備豆としてストックしてはいかがでしょうか。
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