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公開日:2018.05.15 更新日:2020.05.1949736view

新生活の疲れ対策「龍眼茶」でココロとカラダを整える

ちょい足し薬膳ドリンク VOL.4

南国のフルーツが生薬に

みなさん、龍眼(りゅうがん)を食べたことはありますか?
なつめが苦手な私にとっては、補血する上で龍眼は欠かせず、おやつ代わりに好んで食べています。

龍眼は、ベトナム、タイ、台湾など、南国で採れるフルーツ。
熱帯の植物である龍眼は、ライチと同じムクロジ科で、一つの枝に沢山の実を付けます。
茶色い外皮を剥いて、半透明の実の中に、黒くて大きな種があり、その姿から龍眼と呼ばれています。

日本ではフルーツ売り場で目にすることはありませんが、その乾物は、薬膳や漢方薬に用いられています。
また、タイ料理のレストランへ行くと、デザートメニューに「ロンガン」という名前で目にすることもあります。

台湾で龍眼は「桂圓」と呼ばれています。
桂皮に似た茶色で、圓(円=丸い)ということで桂圓と呼ばれるようになりました。

このような南国のフルーツが、生薬として加工され、身近な漢方薬になるというのは面白いですね。

龍眼の加工法いろいろ

龍眼は、外皮を剥いた実の部分を食べます。生薬も同じく実を使用します。

薬膳鍋を食べに行くと、殻ごとプカプカ浮いている龍眼を目にすることがあります。
上記写真の右下タイプで、枝ごと熱で燻蒸されたものです。
甘味が凝縮されて燻製の香りが強いのが特徴です。

写真右上は、採った龍眼が殻ごと熱せられ、または湯通しされ、皮を去り、種子を除き、実だけ火力乾燥されたもの。燻製より甘味はしつこくないのが特徴。生薬の一般的な加工法でしたが、最近では写真左上のものが生薬として用いられるようになっています。

写真左上は、採った龍眼をまず人員が一つ一つ丁寧に皮を剥き、それを火力乾燥させて作られます。
生の龍眼は傷つきやすく、慎重に作業が行われるようで上記2つの加工法より手間がかかるようです。
私のお店では、写真右上と左上タイプを販売しておりますが、左上のものが断然人気です。

味は甘いのですが、さっぱりしていて、生の龍眼に近い美味しさで、私も大好きです。
つい食べ過ぎてしまいそうになるので気を付けないと・・と自制しています。
こちらの龍眼を煎じたものが、写真左下です。こう見ると元の姿が想像つきますね。
煎じたお茶は、餅米のような香ばしさで美味しいですよ。

ココロとカラダを癒やす龍眼茶

このように加工法も様々な龍眼ですが、心身の疲れを癒やすにピッタリの素材です。

5月は「五月病」という言葉もあるように、良いお天気とは裏腹に疲れやすい時期。
4月から始まった新生活の緊張が、ストレスや疲れとなって、無気力やうつ状態を招きます。
さあ、がんばるぞ!といきたいところですが、やる気がでない、体がだるい・・・などの症状が現れます。

そんな時は、ココロを癒やし、元気を付ける龍眼茶がおすすめです。
まず、龍眼の漢方的は働きを見てみましょう。

***龍眼肉***

【性味/帰経】
平・甘 / 心・脾

【はたらき】
1.養心血、安神
血を養い、精神を安定させるため、貧血や動悸、物忘れ、不安感や不眠の改善に良い。
2.補脾気
胃腸を元気にするため、食欲不振や倦怠感、無気力の改善に良い。

龍眼の美味しさや働きをしっかり引き出すには、煎じて飲むのがおすすめです。

【龍眼茶】
龍眼8~10個を水500~600ccで、水から火にかけて煎じます。沸騰したら弱火で20~30分煎じます。

【龍眼の豆乳ハチミツ】
↑煎じた龍眼を温めた豆乳で割って、ハチミツを入れて飲むのも美味しいですよ。

【似たもの同士を合わせて】
龍眼茶を煎じる時に、一緒になつめやクコの実、ハスの実など同じような働きを持つ素材を合わせるのもおすすめです。

いまひとつやる気がわかない時、不安で眠れない時にぜひお試し下さいね。

小林 香里
小林 香里 - Kaori Kobayashi

[ 国際中医師,国際中医薬膳師,登録販売者 ]

20代の頃、過労とストレスで身体をこわしたことをきっかけに、北京中医大学日本校にて中医学や薬膳を学び始める。2005年、薬日本堂(株)に入社。店舗での漢方相談をはじめ、取材対応や薬膳レシピ監修、漢方スクール講師を務める。2017年10月退社の後、目黒区自由が丘に漢方薬店と鍼灸院を併設する漢方・鍼灸「和氣香風」を設立。自店にて漢方相談を行う傍ら、薬日本堂漢方スクールでも講師として活動。

漢方鍼灸和氣香風HP:kakikofu.com

小林香里個人ブログ :kaori-kampo.seesaa.net

インスタグラム   :kaori_kampo

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