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公開日:2014.12.01 更新日:2018.09.145027view

毎日の飲み物から対策しよう!内側から温める冬の冷え

女性にやさしい漢方コラム(7)

冬になると手放せなくなる「使い捨てカイロ」。バッグの中にはいつも予備のカイロが入っていて、外出の時には靴の中専用、服に貼るタイプはカゼの引きはじめに首の後ろへ、腰痛の時は腰に、生理痛の時にはお腹にと、かなりの頻度で活用していました。
30代から冷えは年々ひどくなり、夜寝る時に靴下をはかないと眠れない、お風呂でしっかり温まったつもりでも、上がるとすぐに冷えてしまうといった状態でした。

冷え対策でよく言われる事は「温かい格好をしましょう」。ただ、女性はオシャレも大事。寒い日でもスカートをはきたいものです。同世代の藤原紀香さん曰く「おしゃれは我慢」。この両立が難しいところです。冷えは食べ物に気をつけるだけでかなり改善されます。今回は身体の中から冷えを改善する簡単な方法をご紹介したいと思います。

漢方には「薬食同源(やくしょくどうげん)」という言葉があり、「食べ物も薬も本来は同じ物」という意味です。普段私たちが食べているものは、いろんな働きを持っています。食材を選ぶ時や、食事の時にいつも考えるのは、身体を温める物か冷やす物なのかです。夏の暑いときは、身体の熱をクールダウンさせてくれるキュウリやナスなどを食べるようにします。冬は身体を温めてくれる根菜類。
冷え対策で気をつけたいのは「冬の飲み物」。

実は私、コーヒーが大好き。でもコーヒーはホットで飲んでも身体を冷やしてしまいます。コーヒーの温度ではなく、コーヒー自体に身体を冷やす性質があるということです。そこで少し工夫したいのが‘温め食材を上手に使い組み合わせる’こと。生姜もシナモンも身体を温めてくれるので、コーヒーを飲みたい時にはこれをプラスしてバランスをとります。とあるコーヒーショップでは冬季限定でジャンジャー入りのコーヒーが販売されたり、シナモンパウダーのサービスがあったりするので是非試してみてくださいね。

日本では夏には熱い緑茶を飲む習慣がありました。緑茶は熱を冷ますため、ホットで飲んでも夏の暑さを乗り切れるように身体に働きかけてくれます。昔ながらの知恵ですね。大手のお茶メーカーは、夏には濃い緑茶、冬にはホットのほうじ茶の販売を始めますが、発酵した茶色いお茶は身体を温めてくれます。できれば寒い日はコーヒーではなく紅茶や番茶などに切り替え、寒気のするカゼ気味の時には生姜を入れて飲むと効果覿面、身体の中から温められるのが伝わってきます。

自然の摂理は、寒い時期に身体を温める働きのある食物が旬をむかえるようになっています。寒い地方であればさらにその力は強くなります。住んでいるところで採れる旬の物を食べるという意味の「身土不二(しんどふじ)」。その季節に収穫される一番美味しい物を買えばいいと私は思っています。これはすぐにできますね。今年の冬は、身体の中から冷え対策をして、上手に冬のおしゃれを楽しんでみてくださいね。

天野 賀恵子 - Kaeko Amano -
[ 薬日本堂漢方スクール講師、国際中医師・国際中医薬膳師・漢方スタイリスト ]
富山大学経済学部卒業後、化粧品メーカー、語学学校、サロン経営の仕事を経て、北京中医薬大学日本校で国際中医薬膳師、上海中医薬大学日本校で国際中医師のライセンスを取得。東洋医学と西洋医学を折衷させた病院で、食事、運動、精神ケアなどの健康指導に従事。当校にて漢方養生指導士養成講座、ワンデイセミナー「からだ巡らせ漢方ヨガ」などで活躍中。

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